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後妻に渡す財産は少なくしたい 「夫婦財産契約」とは 弁護士 志賀剛一

2018/2/15

写真はイメージ=PIXTA
Case:27 40代で妻に先立たれましたが、このたび縁あってAさんという女性と再婚することになりました。Aさんも前の夫と死別しています。ところが、すでに成人している私の子供たち2人が再婚をあまり快く思っていないようです。というのも、私は複数の会社を経営しており、それなりの収入や資産があります。子供たちは新たに妻になるAさんに相続や離婚の際に「父親の財産を全部持っていかれるのではないか」と不安を抱いているようです。私はAさんにもそれなりのものは残すつもりですが、大半は子供に残してやりたいのです。何かよい方法はないでしょうか。

■遺言でも遺留分は侵害できない

 あなたがこのままAさんと再婚すると、妻は法定相続人として2分の1の相続分を有することになります。一方、子供2人の相続分はそれぞれ4分の1と半減しますから、子供の目線からストレートな言い方をすれば「再婚によって新たに出現した母親に遺産を半分、取られてしまう」ことになりますね。

 それを防ぐためにまず考えられるのは、あなたが遺言を作成し、それぞれの相続人に適切な相続分を指定する方法です。ただし、妻に何も相続させない内容の遺言は妻の遺留分を侵害することになります。法定相続分のさらに半分の4分の1が妻の遺留分です。

 なお、「遺留分の事前放棄」という手続きを併用することも考えられますが、これは当事者間で文書にしておいても効力はありません。遺留分の放棄は家庭裁判所の許可の審判があってはじめてその効力が発生します。しかも、遺留分を放棄するには(1)遺留分の放棄が本人の自由意思によるものであるか(2)遺留分を放棄する理由に合理性や必要性があるか(3)遺留分の放棄の代償を得ているか――を家裁が十分に確認して初めて許可が出されます。「個人の資産を十分に持っているので不要」というような理由だけでは難しいでしょう。

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