iPhoneケース一体型も　進化形キーケース3選

小物を選ぶ基準は人それぞれだが、キーケースや名刺入れなどの定番小物は、形や機能に大きな違いがないためブランドバリューで選びがち。だが、そんな定番小物にも、便利なギミックを備えた進化版が存在する。今回はキーケースの注目作を紹介しよう。

キーケースは、ボタンで留める3つ折りのデザインが一般的。2つ折りやファスナー開閉といった違いはあるものの、この形状をベースに、コインポケットなどの収納スペースが付いたものが多い。なかでも最近はカードポケット付きのキーケースが人気だという。

財布やキーケースを展開するヴィンテージ リバイバル プロダクションズ広報の川本知子氏は、「昨今はカードキーや電子マネーが普及してきたこともあり、カードが収納できるキーケースの需要が出てきたのではないか」と話す。家の鍵を付けたキーケースは外出時に必ず持ち出すため、そこに最低限の収納スペースが付いているとやはり便利だ。

しかし収納付きキーケースは何十年も前から販売されている。また収納スペースが充実していても、大きくてかさばるようでは本末転倒。逆にコンパクトなキーケースに小銭入れが付いていても、使う機会は意外と少ない。というわけで今回は、ただ収納が付いているだけではない進化形キーケースを紹介する。実際に使う場面をイメージしたときに使いやすい形かどうか、便利だと感じられるかどうかを基準に選んだので、ユニークなキーケースを探している人は参考にしてほしい。

sliding keys（スライディングキーズ）は、キーケース本来の鍵を出し入れする機構に注目した商品。なかの空洞部分に鍵が収納されていて、中央のファスナーを引くと連動して鍵が下りてくる仕組みになっている。鍵を取り出すのもしまうのもワンアクションで完了するため、一般的なキーケースのようにフラップなどを開閉する手間がない。

ヴィンテージ リバイバル プロダクションズは、香川県を拠点に展開する小物ブランド。船舶設計士でもあるデザイナーが3次元CADで生み出すプロダクツは、既存の小物とは一線を画す新たな機能と独特のフォルムを成形している。

「2015年9月の発売以降、百貨店での取り扱いも増え、売り上げは好調に推移しています。鍵が出てくるアクションは男性・女性問わず、お子さまからも『驚いた！』『マジックみたい』といった声をいただいております」（川本氏）

ケースに入らないサイズの鍵も、背面の金属リングに取り付け可能。イタリア製のオイルレザーを使用しているため、使うほどにツヤが増し、味わい深く変化していく点も魅力だ。

サーフグッズを中心に展開するcdmから発売されているのは、キーケース付きのiPhoneケース。鍵は外出時に必ず持ち出すものなので、同じく必需品のスマホと同時に持ち出せるのはかなり便利。荷物を減らせるうえ、かばんからキーケースを探したり取り出したりする手間もない。また、スマホと一緒であれば鍵をなくす心配も少ないだろう。

手帳型のiPhoneケースの外装に、鍵を4本収納できるポケットが付いており、ファスナーには長めのシリコン引き手を採用しているため開閉しやすいのもポイント。また、ケース内側に大小2つのカードポケットを備えているので、電子マネーなどを入れておけば近所の外出はこれ1つでOKだ。

「2017年の春先に発売してから販売は好調。iPhone 8との互換性もあり、ほかの弊社商品と比較しても倍近い売り上げがある人気商品です。20代後半～40代前半の男性が主な購買層で、普段使いからビジネスシーンまで幅広く支持されています」（cdm代官山ディレクター 平田哲也氏）

収納付きキーケースのなかでも、革小物ブランドのユハクのキーケースは使い勝手がいい。

鍵を6本付けられるキーケースに蛇腹式のマルチケースが付いており、カードや小銭、折りたたんだ札などを入れられる。マルチケースは開口部も大きく、手のひらサイズのコンパクト設計ながら実用性が高い。

素材には、はっ水加工（3Mスコッチガード）を施した肌触りのよいカーフヌバックと、上質感に富んだ型押しレザーを使用。オールインワンなだけでなくデザイン性も高いため、セカンド財布としても重宝するだろう。

「発売当時、キーケースとマルチケースの一体型は珍しく、使い勝手と携帯性の良さから注目を集め、現在も好評なロングセラー商品です。バッグのように持ち運べるデザインが特徴で、ユハクのなかでもレディースライクなシリーズであることから、年齢・性別を問わず幅広い層から支持されていることも、好調の理由ではないでしょうか」（ユハク広報担当）

（ライター 津田昌宏、写真 宮前一喜=APT、スタイリング 宇田川雄一）