日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/2/19

重力マイクロレンズは、天体の光を増幅させるレンズのようなものだと、論文の共著者であるエドゥアルド・グエラス氏は話す。このレンズを通して天体を観測していると、そばにある物体の影響を受け、地球に届く光が微妙に変化することがある。これを観察することにより、通常は見えないものの存在が明らかになる。

重力マイクロレンズ法により、銀河系外の惑星とみられる天体が見つかった。(COURTESY OF THE UNIVERSITY OF OKLAHOMA)

今回観測された天体は38億光年という遠いかなたにあるため、重力マイクロレンズ法だけが、そのおおまかな形をつかむ唯一の方法である。研究者らは、天体の移動速度を根拠に、それらが惑星であると判断している。

「重力マイクロレンズ効果が恒星に対して起こることもありますが、それは非常に考えにくいです。恒星では、これほど頻繁には発生しないはずです」とグエラ氏は主張する。また、「もし惑星が1個しかないのであれば、それを2度観測する可能性は天文学的に低くなります」としている。

スケールの大きさを考えると、惑星を発見するのは容易ではない。銀河系内の太陽系外惑星でも直接見ることはほぼ不可能で、天文物理学者はデータを精査しつつ、惑星が存在する痕跡を見つけられるような技術を駆使する必要がある。一般には、そこに実際に系外惑星があるのかどうかについて複数の方法で確認が行われ、場合によっては発見が間違いだったと判明することもある。

「銀河系外の天体は非常に遠くにあります。従来の手法では、それを観測することは不可能です」とグエラス氏は話す。彼らは、他の科学者が今回の論文のデータを活用し、これらの惑星が本当に存在するかどうかを証明する新たな手法を編み出してほしいと考えている。

「他のチームが独自の分析によって、我々の発見を確かめてくれることを願っています」とダイ氏は期待する。「今回のようなケースでは、新たなアイデアのひらめきが科学的発見をもたらしてくれるのではないでしょうか」

銀河系内の系外惑星は1兆個

太陽系外惑星は、銀河系内では多数発見されている。確認された惑星は5287個にのぼり、それ以外にも数多く存在するとされる。これまでの記録はデータベースとして保管されている。

我々の銀河系においては、1個の恒星の周りを平均して1個以上の惑星がめぐっていると考えられている。これは銀河系内に1兆個の惑星がある可能性を示唆する。そうした惑星は、多くが地球サイズであるともいわれる。

ダイ氏は、今回の研究が、銀河系外にある恒星を持たない惑星という新たな研究分野の先駆けとなり、それらの惑星と銀河系内の惑星との比較に役立ってほしいと考えている。

(文 Elaina Zachos、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年2月8日付]