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災害補償付き住宅ローン続々 毎月返済を一時肩代わり ローン金利に0.035~0.5%を上乗せ

2018/2/13

大きな被害を出した九州北部豪雨(2017年7月6日、福岡県朝倉市)

戸建て住宅の購入を検討しています。自然災害による自宅の損害に備えられる住宅ローンが増えていると聞きました。どのような特徴がありますか。

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災害による自宅の損害に備えるには、火災保険や地震保険に加入するのが一般的だ。ただ、火災保険は地震や噴火による火災や津波などは原則、補償の対象外だ。地震保険は地震による火災や津波、家の倒壊などを対象にするが、受け取れる保険金はセットで加入する火災保険の半額までと上限もある。

火災保険や地震保険に加入したうえで、被災時に自宅の住宅ローンと新たに住まいを確保するコストの二重負担を回避したり、生活再建資金を確保したりできるタイプの住宅ローンが増えている。「自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン」などと呼ばれる。

銀行が専用の保険に加入し、住宅ローンの対象物件が被災すると、銀行は受け取った保険金を原資として住宅ローンを借り入れた人に毎月の住宅ローン返済相当額を一定期間払い戻すタイプが多い。

2017年2月に筑波銀行が取り扱いを開始。10月には新生銀行、11月には北日本銀行、愛媛銀行が取り扱いを始めるなど、導入する銀行が増えている。住宅ローン契約時に適用金利に0.035~0.5%を上乗せしたり、5万円程度の事務手数料を支払ったりすることで利用できる。

補償を受けるには被災時に自治体が発行する「罹災(りさい)証明書」を提出する。全壊なら24カ月、大規模半壊なら12カ月分といった具合に、損害の規模に応じて返済相当額が払い戻される期間が決まる。

ただ、払い戻される条件は金融機関ごとに異なる。自宅の被災だけで受け取れるタイプもあるが、受け取るには住宅ローンの返済自体は続ける必要があり、滞ると払い戻されなくなるタイプもある。借り入れ前に条件を確認しておこう。

対象となる災害が金融機関ごとに異なる点にも注意したい。例えば常陽銀行では地震や噴火、津波が対象外。北日本銀行では自然災害に加えて火災などによる被害でも補償する。

対象物件も異なる。新生銀行は新築の戸建て住宅のみが対象で住宅ローンの借入期間が25年以上あることなどの条件がある。ちなみに新生銀行の場合、補償期間は当初10年だけだ。

火災保険や地震保険の保険金は非課税だが、このタイプの住宅ローンの中には返済相当額が「雑所得」とみなされるものが多い。会社員の場合、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要となる。税制上の返済相当額の扱いについては事前に銀行や所轄の税務署に確認して把握しておくとよいだろう。

[日本経済新聞朝刊2018年2月10日付]

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