残り物のつもりが「遺体」に! 間違えやすい remain
デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(6)remain
「言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、remainの使い方。「残っている」「とどまる」という動詞のイメージで使い回すと、とんでもない意味になることもあります。
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勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。
最近同僚だったジャックが退職しました。「立つ鳥跡を濁さず」(Cast no dirt in the well that gives you water.)の例え通りとはいかなかったようで、オフィスのあちらこちらに彼の私物が残されています。さて、皆で後片付けをしなければなりません。彼が置いていってしまったものを早速箱の中に入れ始めたところ、オサムのひと言がまたまた周囲をざわつかせることに。
それはこんな会話でした。
Osamu: Can I put Jack's remains in this box?
Nancy: What?! Jack died?
Osamu: No, he just quit. He's still alive.
Nancy: Oh… That's good.
日本語に訳してみるとこうなります。
オサム:彼の遺体はこの箱に入れていい?
ナンシー:何ですって?! 彼は死んじゃったの?
オサム:いや、辞めただけだけど。まだ生きてますよ。
ナンシー:ああ、よかった。
remainは「動詞」であれば「そのままにする、とどまる、残存する」などの意味があり、オサムがここで使った「名詞」の意味となると「遺作、遺跡、遺体」などの意味になります。Jack's remains といえば、この場合は「ジャックの遺体」?!
では、どう言えばよかったのでしょう?