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金融トラブル回避 「熱心な販売員」にほだされるな 金融トラブルをマネーハック(2)

2018/2/12

写真はイメージ=123RF

 今月のマネーハックのテーマは金融トラブルの回避法です。先週は「いいカモ!と思ったらいいカモ」になりかねないという話をしました。他人事のように笑った人ほどだまされる人かもしれません。できれば5回くらい復唱してください。

 今週は金融商品の売り手である「販売員」にフォーカスしてトラブルの回避法を考えます。

■売り手は熱心にアプローチしてくる

 金融商品に限らず、商品は「売り手」と「買い手」がいるわけですが、売り手はその商品を販売する以上、買い手より商品について詳しいのが一般的です。これはあなたをだましたり、ミスリードさせたりするようなセールストークが可能であるということです。

 悪質な金融商品では、営業マンに「こうやって買い手をだまして契約にこぎつける」というような研修をしているともいわれます。

 売り手のほうが買い手より専門性で勝る構図を「情報の非対称性がある」といいます。買い手が弱い立場にあることを強く意識する必要があります。

 あなたに熱心にアプローチしてくる販売員は、売り手として商品の欠点も知り尽くしているだけに、真剣さをアピールしてその怪しい商品性を隠そうとしているのかもしれません。

■販売員の人柄と運用成績は関係ない

 買い手が陥りがちなのが、売り手に対しての過度な「信用」や「信頼」です。詐欺的な金融商品を購入してしまった人の声としてよく聞かれるものに、

 「勧誘してきた人が真面目で熱心そうだった」

 「販売員はきちんとした身なりで誠実そうだった」

 「商品の素晴らしさについて真剣に語ってくれた」――などという内容があります。これはまさに信用や信頼の部分に気を許してしまった例でしょう。

 販売員の性格や人柄にほだされて購入してしまうことはとても危ないことです。そもそも論で考えれば、販売員の性格や人柄はその金融商品の運用利回りを高めたり、保証したりしてくれるわけではありません。

 怪しい金融商品はいうに及ばず、適切に販売されている金融商品であっても、「つかの間の信頼」を勝ち取ることであなたのお金を狙っているのだと考えましょう。実際、販売員はあなたがお金を払ってくれることで営業成績が上がり、ボーナスや人事評価にもプラスの影響が得られるのです。

■違うことのお礼に金融商品を買うのはやめよう

 私が聞いた本当の話ですが、「若い行員さんに冬に雪かきをしてもらったお礼に定期預金をしたり、投資信託を買ったりしている」という人がいるそうです。確かにそれだけの重労働をしてくれたのならお礼の一つも、と思うのかもしれません。

 しかし、こういう人は怪しい金融商品の売り手にもだまされそうで心配になります。特に独り暮らしのお年寄りは気をつけましょう。

 同様に、商品券やキャッシュバック、顧客紹介キャンペーンなどにつられて商品購入を決めてしまうのも、あまりいいことではありません。本来の商品価値と違うところで購入を決めてしまっているからです。

 こうしたキャンペーンのほとんどは、売り手が販売を増やしたい場合に設定されています。広告宣伝費を過剰に設定しているようなもので、「大丈夫だろうか」と疑ってみるくらいがいいのです。

 「違うことのお礼に」とか「キャンペーンにつられて」といった理由で金融商品を買うことはやめておくべきでしょう。これもまた金融トラブルから身を遠ざけるための処世術です。

■資産の管理・保全体制を必ず確認しよう

 より大事なことは、金融商品として購入した資産の管理体制や保全体制を確認することです。例えば、公募型の投信は信託銀行が資産管理しており、運用会社は資産を勝手に引き出すことができない仕組みになっています(特に理由がない限り、国内の信託銀行がその役割を担うのが普通です)。資産価格の変動はありますが、お金の保全体制としては安全度が高いということです。

 商品説明を受けるとき、販売員にその資産の保全体制について必ず確認をしましょう。もし口ごもるようなことがあれば、取引をいったんやめて、その後に納得できる説明がなければ購入を中止しましょう(敵もさるもの、ウソを平気で並べ立てることもあり、油断はできません)。

 「顧客から集めた○○億円は存在しない」というような金融詐欺の多くは、運用主体が投資資金に手をつけていたり、自転車操業に用いていたりします(いわゆるポンジ・スキーム)。

 資産の管理・保全体制はきわめて重要です。ぜひ「販売員への信頼」ではなく「保全体制への信頼」を第一に考えましょう。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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