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食の豆知識

ギョーザ、止まらぬ進化 多様化するたれ、中国仕様も

2018/2/14

「うち、今夜はギョーザだよって日は100個作るから」

 私の人生の来し方にクセがあるのだろうか。今まで生きてきて「うちはギョーザ100個」と豪語する人とは数え切れないほど出会ってきた。ギョーザの個数など尋ねてないのに、なぜかみんな誇らしげに「ギョーザ100個」とふれ回る。どうだ、うちはこんなにギョーザを食う一家なのだと、高らかにアピールしてくるのだ。

 それが3世代同居の子だくさん家庭や、息子ふたりが高校の野球部とサッカー部、なんて家ならわかる。100個なんて秒殺だろう。しかし「ギョーザ100個の家」は、そんな家族構成ばかりではない。若夫婦2人に赤ちゃんだけ、老夫婦の2人暮らし、いやいや中年のひとり暮らしであろうとも、100個作ることをちゅうちょしない人が家にいる限り、ギョーザは100個単位で作られ続けていくのである。

中国では水ギョーザが基本

 実はオットの実家も「ギョーザ100個の家」だったらしい。中国と日本の架け橋のような仕事をしていた義祖母が、現地の友人から教わった本場仕込みの水ギョーザを「向こうではギョーザを食べるときは、ギョーザしか食べないから」と言って山のように作っていたという。もちろんその話をするときのオットも、なぜかいつも自慢げだ。

「中国」とひとくくりにしてしまったが、山のようにギョーザを食べるのは、主に北京など北の地方の特徴だ。中国では北方はコムギを中心とした「粉食」、南方はコメを中心とした「粒食」に大別できる。

焼きギョーザは水ギョーザの残り物のリメイクだった

 中国のような大きな国をざっくり南北に分けてしまうことにはいつもドキドキするが、実際に北京と上海に住んだ経験のある友人に言わせると「北京ではびっくりするくらい頻繁にギョーザを食べてたけど、上海に引っ越したらギョーザのことをしばらく忘れてた」とのことなので、北と南でかなりの温度差はあったのだろう。その土地で一番取れる作物の地方別分布図を見ても、江蘇省から四川省にかけての東西のラインから北はムギ類、南はイネとキレイに分かれており、温度差にも納得がいく。

 その北方の人たちが、さらに山のようにギョーザを食べる日がある。それが「春節」。中国の民間の祝日としては、年間最大とも言われる旧正月のことで、今年は2月16日がそれに当たる。春節はまとまった休みが取れるため、現在では旅行するのにちょうどいいと、世界各地に多くの中国人観光客が出かけることでも知られているが、少し前までは実家に帰省するための日であった。

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