全17曲を収録。同梱のDVD、もしくはブルーレイには『粋恋』のMUSIC CLIPと、17年5月に出演した「スガフェス!」の模様、「水樹奈々のMTV Unpluggedを科学する-Special Edition-」を収録。(写真はCD+Blu-ray盤。3500円・税別/キングレコード)

「これまで2枚のベストアルバムを発表していますが、『THE MUSEUM III』は歌手としても女性としても一番変化した6年間が詰まった1枚になりました。

特に変化を感じるのは、歌声と表現の部分ですね。歌手にとって体は楽器ですから、体が変わると当然歌声も変わります。この作品では4曲目の『Vitalization』から変化の兆候が見られて。レコーディングをした頃はちょうど厄年で、女性にとっては体調が大きく変わるとき。例えば、急に徹夜ができなくなるとか(笑)。その翌年には喉を壊してしまい、当時は大人の体とどう向き合えばいいのか分からなくて…。もともとトレーニングは好きでライブ前にはストイックに体を鍛えてはいたんですけど、ライブをやっていないときにも、日常的にトレーナーさんに見てもらって、自分の体を細部まで知ることから始めたり、食生活や生活習慣まで見直したり。とにかくいろんな方に相談するうちに、『おいしいものを食べて、きちんと寝る』これが全ての基本なんだということに気がついて。ムチを振るだけじゃなく、体に栄養や休息を与えるようになったときに、また歌声が変わったんです。

それまでは楽曲制作でもライブでも、猪突猛進で突っ走ってしまうことや無理をしてしまうところがあったのですが、この経験を通して周りに相談したり、良い意味で甘えられるようになりました。いろいろな体の変化、心境の変化、そして生活改善で、それまでとはまた違ったものが見えてきて。それが歌の変化につながって。ある意味、歌は自分を丸裸にしてしまうものだなって改めて思いました。

このベストアルバムを順番に聴いていくと、その変化を感じていただけると思います」

新曲は「和」を意識

水樹の圧倒的歌唱力は、演歌歌手を目指していた過去から来ているものだが、前述の出雲大社奉納、そして今作の新曲では和楽器を使うなど、和とのつながりは一層深くなっている。

「アルバムには、テレビアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』のエンディングテーマとなっている『HOT BLOOD』と、『粋恋』の新曲2曲が入っています。

実は、13年ぶりの続編で。声優としても歌手としても、前作よりも成長した姿を届けたいと気合が入りました。戦乱の世に生きる忍たちの切ない恋を描いたアニメなので、両曲ともに大胆に和楽器を取り入れています。『HOT BLOOD』は疾走感のあるロックナンバーのなかにも雅な要素が強く、『粋恋』は今だから歌える情熱的なロックバラード。『粋恋』は新しい歌い方にも挑戦しました」

1月11日からは自身9年ぶりとなる日本武道館で、全7公演を開催。夏には3年ぶりとなる全国ツアーが控えている。

(ライター 山内涼子)

[日経エンタテインメント! 2018年2月号の記事を再構成]

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