ネクタイはスーツより繊細です。昔気質の紳士が「ネクタイは女性より手がかかる」とおっしゃっていたことを思い出します。もともと、生地がバイアス(布目に斜めに裁つこと)で使われるので、柔軟性がある分、下手に扱うとよれやすいためです。このため、ブラッシングもスーツよりもさらに優しく、がポイントです。もちろん、いたずらにクリーニングに出さない方がよいでしょう。よいネクタイほど生地の風合いや、程よい弾力、厚みが失われる恐れがあるからです。

■アイロンの直当ては厳禁

ネクタイの保管については、「つるし派」と「丸め派」に二分されますが、実は「2段階派」が多いようです。着用した当日は、翌朝までつるして湿気をとり、あわせて自然な張力でシワをとり、その後「小剣(細い方の剣先)から丸めることで、布地に余計なストレスをかけずに保管することができます。

ネクタイにアイロンを直接、当ててはいけない(写真はイメージ=PIXTA)

保管の前にはシミなどの有無をよく確認してください。目立つシミに気づいたら、即座に対処するのが鉄則です。固く絞ったタオルをネクタイに重ね、その上から綿棒などのでトントンたたいて、シミを取ってください。生地がよれないように、優しくたたきます。仕上げに乾いたタオルで水分を取り除いてください。

ネクタイもそうですが、スーツにもアイロンの直当ては厳禁です。生地の風合いが損なわれるだけでなく、表面が熱で焼けてしまい、質感が安っぽくなってしまいます。シワがどうしても気になるときには、スチームを「遠当て」するだけにとどめてください。

■お手入れ、軽んずるべからず

「一流の人は身につけるものをこまめにメンテナンスしている」。前回も申し上げましたが、これは数多くのエグゼクティブと接してきた私の実感です。その対極にあるのが、手入れを怠っている人です。どこかうっすらホコリをまとったような印象で、信頼しきれない何かを感じてしまいます。

身のまわりの品々のお手入れを軽んじてはいけません。ほんのわずかなことですが、「一流」と「その他大勢」とを分け、将来の成功への分岐点となっているかもしれないのです。

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丸山ゆ利絵
 ホテル西洋銀座やアークヒルズクラブなどを経て2010年、経営者などに「ふさわしい存在感」の演出方法を助言するコンサルティング会社、アテインメンツ(大阪市)を設立、代表に就任。15年、ビジネスマンに正しいスーツの着方を指南する「スーツ塾」を開講。 著書に「『一流の存在感』がある人の振る舞いのルール」(日本実業出版社)など。

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