チョコレートの健康効果 注目の意外なきっかけ

日経Gooday

日本人を対象としたチョコレート研究ではこれが初の大規模研究となった。研究は2014年3月にスタートし、2015年5月に研究グループは最終報告を発表している。

研究内容は、生活習慣病の患者率が愛知県で最も高い愛知県蒲郡市を中心に、45~69歳までの男女347人(男性123人、女性224人)を対象に4週間、カカオポリフェノールを多く含む高カカオチョコレート(カカオ分72%)を1日5枚(約25g)毎日食べてもらい、食べる前後の血圧や血液成分などの体の状態の変化を検証するというもの。

検証の結果、4週間、高カカオチョコレートを食べても体重および肥満度の指標であるBMI(Body Mass Index)に変化はなかった。一方、血圧は4週間後に最高血圧・最低血圧ともに低下。HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)は4週間後に上昇した。また、酸化ストレスの程度の指標となる8-OHdG、炎症の程度の指標であるhs-CRPの数値が、酸化ストレスの程度が高い人、炎症の程度が高い人で改善した。

「蒲郡市の研究報告から、高カカオチョコレートを継続的に食べると、体重は変化することなく、血圧低下、炎症マーカー・酸化マーカーの低下、HDLコレステロール上昇などの健康効果が得られることが実証されました。この結果から、高カカオチョコレートは動脈硬化予防の可能性も期待されます」と大澤さんは示唆する。

また、この蒲郡市の研究では、後に血液検査の結果を追加分析したところ、高カカオチョコレートを4週間食べた後には、脳細胞の増加に必要とされるBDNF(脳由来神経栄養因子)の血清中の濃度が上昇していることが分かった。BDNFはうつ病やアルツハイマー型認知症、記憶、学習など認知機能との関連性が注目されている物質である。

健康効果が期待されるチョコレートだが、市販のチョコレートの食べ過ぎは、カロリーの過剰摂取にもつながるため、気を付けたいところだ。

大澤俊彦さん
愛知学院大学心身科学部健康栄養学科客員教授。長年、機能性食品の研究に携わり、特に抗酸化食品研究の第一人者として知られる。日本フードファクター学会理事長、日本ゴマ科学会会長、アスタキサンチン研究会会長、日本予防医学会常任理事などを歴任。

(ライター 伊藤左知子、作図 増田真一)

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