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食の達人コラム

タレカツ、洋風… 新潟のカツ丼、明治開港の歴史映す カツ丼礼賛(13)

2018/2/9

長岡の洋風カツ丼

 新潟のカツ丼というと、新潟市のタレカツ丼が最もよく知られた存在だろう。しょうゆベースの甘辛いたれで味付けられたカツがそのまま丼飯の上にのる。カツはとんかつのように1枚のカツを切ってのせたものではなく、薄い大きいカツを複数枚のせる。

 タレカツ丼の発祥は新潟市古町の「とんかつ太郎」。昭和初期の屋台から始まったそうだ。公式ホームページによれば「初代の小松道太郎は、当時モダンな料理だったカツレツを大胆にもしょうゆダレにくぐらせてご飯の上にのせて提供」したとある。

「とんかつ太郎」のタレカツ丼 元祖の味

 新潟は1858(安政5)年の日米修好通商条約で横浜、神戸、函館、長崎とともに開港された「開港5都市」の一つだ。新潟の西洋料理の歴史は古く、洋食文化も早くから花開き、ポークカツレツも明治期にはすでに提供されていた可能性が高い。

「とんかつ太郎」創業時の昭和初期は、まだやっと厚いとんかつが産声を上げた時期で、新潟でも薄く揚げ焼きするポークカツレツが一般的だったはずだ。だからこそ、薄いカツをどんぶりにのせた形が現在まで残っているのではないかと想像してみる。福井同様、新潟も分厚いとんかつ誕生前のカツ丼だったのではないだろうか。

「とんかつ政ちゃん」はタレカツ丼の人気店

「とんかつ太郎」で修業し、昭和40年に独立して開業したのが「とんかつ政ちゃん」。カツ丼専門店も含め、新潟市内に複数店舗を構えるタレカツ丼の人気店で、タレカツ丼と命名した店としても知られる。

 甘辛いしょうゆだれに薄目のとんかつが複数枚のるだけのシンプルなビジュアルだが、新潟産のご飯と絶妙に合う奥行きのある味。食べると癖になりそうな、さすがに地元の人気店。かなり様々なメニューも研究されているようだ。

「ぐりるかんだ」軽さが特徴

 駅に近い人気洋食店「ぐりるかんだ」は昭和49年創業の老舗。たれカツ丼はかなりボリュームがあるが、ペロッとイケてしまうくどくない軽さがある。

 カツはヒレ肉を使っているとのことで本当に柔らかく、ジューシー。たれは甘辛いおかきのような風味があり、このたれがまた絶妙に米どころ新潟のご飯に合う。

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