2年で1万5000円 国民年金保険料、前払いならお得にカード払いならポイントも獲得可能

自営業者やフリーランス、学生らが加入する国民年金の保険料は1カ月当たり1万6340円(2018年度)。老後に年金をもらうために必ず払いたいが、年間では20万円近くになり負担は大きい。この保険料をまとめて前払いすると安くなるのが「前納割引制度」だ。払い方によって割引額が異なるので自分に合った方法を選びたい。

「保険料は前納がお得です」。20歳の誕生日が近づくと送られてくる国民年金の加入案内にこうある。前納は会社員らが加入する厚生年金保険にはない独特の制度。新成人でなくても被保険者ならだれでも利用できる。どんな仕組みなのか。

国民年金は当月分の保険料を翌月末に納める後払いが基本。前納はこれを早めにまとめて払う。6カ月、1年、2年などがあり、口座振替のほか現金払い、クレジットカード払いがある。当月分をその月末に払う1カ月は「早割」とも呼ばれ、口座振替のみ可能だ。

通常の払い方と比べた割引額(1年換算)は表の通り。期間が長いほど割引は大きく、同じ期間なら口座振替がお得だ。クレジットカード払いならその分のポイントをためることも可能で、別途買い物などに使えるメリットがある。

最も長い2年の前納なら割引額は2年分で1万5000円前後にもなる。ほぼ1カ月分の保険料を節約できる。2年前納は14年度に口座振替のみでスタート。日本年金機構によれば、利用者は35万人(16年度)と口座振替全体の約1割に当たる。17年度からは現金・カード払いが加わった。

前納制度では期間ごとに保険料の対象時期が決まっている。1年前納は4月~翌年3月分、2年前納は4月~翌々年3月分の保険料が対象。6カ月前納は4~9月分と、10月~翌年3月分だ。

前納を利用するには年金事務所に申し出る必要がある。今年4月から、6カ月以上の前納をする場合、口座振替、カード払いについては2月末が申込期限なので注意しよう。現金払いは4月中であれば手続きが可能だ。

インターネット銀行など一部の金融機関では前納の取り扱いがない場合がある。手続きなどについての詳細は年金事務所に問い合わせよう。

1年や2年など期間が長ければ支払う金額はかさむ。「先行きの資金計画や働き方などを踏まえて申し込みたい」と社会保険労務士の井戸美枝さんは注意する。

前納した後に厚生年金に加入した場合は払い戻される仕組みがある。いったん申し込んだ期間や払い方を変更するには、再度申し込む必要がある点も知っておきたい。

国民年金の加入は原則20歳から60歳になるまでだが、60歳になっても納付済み期間が40年に満たなければ、65歳まで保険料を払って年金を増やすことができる。「任意加入制度」というシニア向けの仕組みだ。その際も保険料をまとめて前納すれば、やはり支払額を節約できる。

(土井誠司)

[日本経済新聞夕刊2018年2月5日付]

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