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インデックス投信に「黒船」襲来 低コスト化に拍車

2018/2/6

写真はイメージ=PIXTA

「つみたてNISA」を始めるため、インデックス型投信に興味を持っています。手数料の引き下げが相次いでいるそうですが、現状はどうですか。

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今年始まった積み立て型少額投資非課税制度「つみたてNISA」では、金融庁が商品の条件を設定。現在のところ、株価指数などに連動した運用を目指す低コストなインデックス型投資信託が約9割を占める。

そのインデックス投信では運用期間中に投資家が支払う信託報酬の引き下げ競争が活発化している。

昨年2月に三菱UFJ国際投信がネット専用インデックス投信「eMAXIS Slim」シリーズを発売。「信託報酬を業界最低水準にする」と宣言した。当初の先進国株式型、国内株式型などの信託報酬は年率0.2%前後。購入時手数料はゼロで、100万円を投資した場合の信託報酬は年2千円前後だ。

そこへ昨年秋、「黒船」とも言える強力なライバルが現れた。米国の著名な低コスト型上場投資信託(ETF)で運用する投信が登場したのだ。

楽天投信投資顧問は昨年9月以降、世界の株式に投資する「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」など計4本を設定。米投信会社バンガードのETF「バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)」などに投資する投信で、信託報酬の実質負担は約0.24%と低い。

SBIアセットマネジメントも昨年12月、新興国株式で運用する海外ETFに投資する「EXE-iつみたて新興国株式ファンド」を発売。信託報酬の実質負担は0.2%を下回る。

国内の個人投資家が海外ETFを直接買おうとすると、主に米ドル建てで投資することになるため少々ハードルが高い。投信なら円建てで損益を把握できるうえ、証券会社によっては100円単位で購入できる。

海外ETFで運用するインデックス投信の信託報酬は今後さらに低下しそうだ。投資先である海外ETFの運用会社がバンガードを筆頭に、一段の低コスト化に前向きだからだ。各社は顧客還元を目的にした手数料軽減に引き続き取り組む姿勢だ。米運用大手のステート・ストリートは昨年秋、15銘柄の海外ETFのコストを一斉に下げた。

国内運用会社はこれに対抗する構えだ。三菱UFJ国際投信は昨年11月に国内株式、国内債券など5本、12月には新興国株式、今年1月には先進国株式の投信の信託報酬もそれぞれ引き下げた。「今後も他社動向を見据えて値下げを検討する」(代田秀雄取締役)

ニッセイアセットマネジメントや「たわら」シリーズで知られるアセットマネジメントOneも信託報酬引き下げを発表した。ニッセイは16日に日経平均株価型、同21日にTOPIX(東証株価指数)型をそれぞれ引き下げる。ただ、引き下げ幅は0.01ポイント単位と小さい。

投信業界では「手数料競争が収益を圧迫しており、いずれ限界が来る」との声も出始めた。個人は手数料だけでなく、投信の存続性にも注意を払いたい。

[日本経済新聞朝刊2018年2月3日付]

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