一つのグループ(36人)には、カカオ分70%のアーモンド入りチョコレートを1日8粒、8週間継続摂取してもらい、もう一つのグループ(35人)にはアーモンド入りチョコレートを摂取しないでもらい、効果を比較した。

その結果、アーモンド入りチョコレートを摂取したグループは摂取しなかったグループに比べ、排便回数は1週間に約2回増加(図1)、便量も約1.6倍に増えた(図2)。

また、おなかの調子に関するアンケート調査を行ったところ、アーモンド入りチョコレートを摂取したグループでは、おなかの調子が良くなったと感じている人が多く(図3)、さらに肌の調子も良くなったと感じている人も多い(図4)という結果が得られた。さらに、皮膚の乾燥に自覚がある人の角層水分量が増加して、肌質改善にも効果があることが示された。

井上教授は、「アーモンド1日25粒は食べるのが難しいが、8粒なら続けやすいのではないでしょうか。中にはチョコレートのカロリーを気にされる人もいるかもしれませんが、今回試験に使用したアーモンド入りチョコレートの場合、1日8粒(アーモンドは約1.1g/粒、チョコレートは約2.7g/粒)で、おにぎり約1個分のカロリーです。その分、ほかの間食を控えるなどすれば問題ない量といえます」と話す。

また、高カカオチョコレートはアーモンドだけでなく、さまざまな健康にいい食品と組み合わせることでそのパワーを発揮する可能性があると井上教授は研究を進めています。

「例えば、スポーツの後には高カカオチョコレートと果物。高カカオチョコレートにはポリフェノール、果物にはカリウムが含まれます。ポリフェノールは運動で増加する活性酸素による酸化ストレスを抗酸化作用で防ぐ可能性があり、カリウムは老廃物の排せつ促進を担い、運動後の疲労回復を助けます」と井上教授。今後、チョコレートとほかの食べ物との組み合わせの研究も進めていきたいと話す。

井上浩義さん
 慶應義塾大学医学部化学教室教授。1989年九州大学大学院理学研究科博士課程修了、久留米大学医学部教授などを経て、2008年から現職。日本抗加齢医学会評議員、日本薬理学会学術評議員など。平成22年度文部科学大臣表彰科学技術賞、化学コミュニケーション賞2012、着任後2017年まで9年連続慶應義塾大学医学部Best Teacher Award(1位)など受賞多数。医学博士、理学博士。

(文 伊藤左知子)

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