2018/2/26

歯磨き後に使うなどと決めておけば、忘れにくい。鼻に噴霧するときは容器の先端を若干外側に向けてシュッとするといいそうだ。「内側に向けると鼻中隔という血管が多い場所に薬剤が集まり、鼻血が出やすくなることがある」と金井院長(下図)。

やや外側に向けて噴霧すると、下鼻甲介に当たるので効果的。ここはアレルギー反応が起こる、いわば最前線の場所。逆に内側に向けると、鼻血が出やすくなることがあるので気をつけて(イラスト:三弓素青)

このステロイド点鼻薬だけで症状が抑えられない場合は、眠気の出にくい第二世代の抗ヒスタミン内服薬(下表)を上乗せする。「人によって薬の効き目や眠気の出方に差があるので、自分に合ったものを処方してもらうといい」(金井院長)

これらのステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン内服薬は、耳鼻咽喉科などで処方される。漢方の小青竜湯は医療用の他、市販薬もある

この2段構えでも症状が治まらないときは、漢方薬の「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」を加えてもいい。即効性があり、のんで30分くらいで鼻水やくしゃみがラクになる。

初期療法が間に合わず、すでに症状がひどいなら、これらの薬を最初から併用してもいい。

鼻の中に入った花粉を洗い流すのも効果的。水道水ではなく、人肌程度の生理食塩水を使うのがいい。片方の鼻から注入し、もう片方から出す。専用の製品も市販されている(イラスト:谷小夏)

なお、血管収縮薬の点鼻薬は鼻づまりに即効性があるが、使いすぎるとかえって鼻づまりがひどくなる「薬剤性鼻炎」を招く。「使うのは1日1、2回まで」と金井院長。市販の点鼻薬にも配合されていることが多いので、使い方に気をつけたい。

もちろん、毎日のケアも大事。薬をのんでいるからと油断せず、外出時はマスクで花粉の侵入を防ごう。鼻の中の花粉を洗い流す「鼻うがい」もお薦めだ。

根治療法の「舌下免疫療法」は3~5年

花粉症を根本から治したい! そんな人に向くのが「舌下免疫療法」。アレルギーの原因になるスギ花粉のエキス(「シダトレン」)を毎日、舌の下に投与して体を慣らしていく方法で、健康保険も利く。3~5年続ける必要があるが、金井院長が18人の患者を調べたところ、平均8カ月間の段階で約9割の人が鼻と目の症状改善を認めていた。

治療はスギ花粉のシーズンが終わって症状が完全になくなった6月頃に始めるのがベスト。翌シーズンでの効果を期待するなら、遅くとも11月頃までには始めておきたい。「花粉症の時期と重なる受験に備え、子どもに治療を受けさせる例もある」(金井院長)

金井憲一さん
 こすぎ耳鼻咽喉科クリニック(川崎市中原区)院長。1994年、山梨医科大学(現山梨大学医学部)卒業。昭和大学藤が丘病院耳鼻咽喉科准教授などを経て、2014年から現職。花粉症の治療に詳しい。日本耳鼻咽喉科学会専門医。

(ライター 佐田節子)

[日経ヘルス2018年3月号の記事を再構成]

日経ヘルス 2018年 3 月号

著者 : 日経ヘルス編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 700円 (税込み)