ネコの「利き手」新研究 オスは左、メスは右の傾向

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/2/12

3カ月にわたる調査においてウェルズ氏らが注目したのは、以下に挙げるネコの3つの行動だ。トイレに入る際にどちらから踏み出すか、階段を降りる際はどうか、そして、寝転がるとき体のどちら側を下にするか。ウェルズ氏らはまた、狭い穴に手を差し入れて餌を取り出すときに、ネコがどちらの手を使うかも調べた。

ここで重要なのは、調査の対象となるネコの行動が、普段過ごしている環境の中で行われる自発的なものであることだとウェルズ氏は言う。

調査の結果、4分の3近くのネコが、左右どちらかの手を優先的に使っていることがわかった。また統計的に、メスは右手を使う傾向が明らかで、逆にオスには左手を使うものが多かった。

飼いネコの利き手を調べるには

飼いネコの利き手を調べる方法は簡単。じっくりと観察することだとウェルズ氏は言う。

飼いネコが階段を昇り降りする、あるいはトイレに入ろうとするとき、どちらの手を先に使ったかをノートに記録しておこう。数日から数カ月観察すれば、あなたのネコが利き手を持っているかどうかを判断する十分なデータが揃う(ただし、すべてのネコに利き手があるわけではない)。

筆者が自分の飼いネコ(15歳、メス、サビトラ柄のミックス)を数日間観察したところ、彼女は右手を使う傾向が強いが、オモチャを叩くときは左手を好んで使いたがることがわかった。

左利きは心配性

ウェルズ氏が過去に行ったイヌの利き手に関する研究では、左利きおよび両利きのイヌは、右利きのイヌよりも怖がりで、強いストレスを感じるという結果が出ている。

ネコの場合もこれが当てはまれば(ウェルズ氏はそうだと考えている)、飼い主や保護施設のスタッフは、ネコをよりよく理解し、世話をする上で、この情報を活用することができるだろう。「動物福祉を実践する上での指標として、利き手というのは非常に興味深い課題です」と、イタリア、トレント大学の神経科学者ジョルジオ・ヴァッロルティガーラ氏は言う。

たとえば保護施設がネコの利き手を簡単に判断できるテストを開発すれば、もし左利きであることがわかった場合、ネコが不安になるような特定の環境を避けるといったことも可能になる。

(文 Carrie Arnold、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年2月1日付]

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