急速に関心が高まっている「完全ワイヤレスイヤホン」。スマートフォン(スマホ)とイヤホンをつなぐケーブルだけでなく、イヤホンの左右をつなぐケーブルもないので、身軽に音楽を楽しめるのが魅力だ。2017年末からは大手オーディオメーカーも次々に参入し注目を集めている。前回はソニーとBOSEを比較したが(記事「完全無線イヤホン対決 音質はBOSE、機能はソニー」参照)、今回取り上げるのはJBL初の完全ワイヤレスイヤホン「JBL FREE」。世代が違う2人が音質や使い勝手を評価した。
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完全ワイヤレスイヤホンが人気だ。調査会社のGfKジャパンによれば、ヘッドホン(イヤホン)・ヘッドセットに占める完全ワイヤレスイヤホンの販売構成比は2017年12月時点で数量ベースで8%、金額ベースで26%。17年1月は数量で1%、金額で3%だから、大きく拡大していることがわかる。
そんな中、17年12月にはJBLがブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「JBL FREE」を発売した。実勢価格は1万4880円(税抜き)。GfKジャパンの調査によれば、17年の完全ワイヤレスの販売構成比は1万円台の商品が65%と主流。2万円台ではちゅうちょしてしまうという人でも手に取りやすい値段だ。そのぶん激戦区ともいえるが、JBL FREEの出来栄えはどうなのか。音質や使い勝手を、平成世代のライター(小沼)と、昭和世代のAV評論家、小原由夫さんが比較した。
音質はオーディオ評論家も太鼓判
小原(53歳のオーディオ・ビジュアル評論家) いやぁ、これは驚きましたよ。これまでいろいろと完全ワイヤレスヘッドホンを取り上げてきましたが、JBL FREEはその中でも1、2を争う音質だと思います。
小沼(26歳のライター) 僕も聴いていて音が良いと感じましたが、そこまでですか。
小原 優れた点は2つあって、まずはカナル型の完全ワイヤレスで、ここまで立体感を感じられたものはなかったということ。耳の中で音の近い・遠いがはっきり認識できるので、クラシックを聴いていても満足感が高いです。次に、音のレイヤーがはっきりわかるということ。アース・ウインド・アンド・ファイアー(EW&F)のベストアルバムを聴いていたんですが、このイヤホンはストリングスの存在にあらためて気付かせてくれました。ちなみに小沼さん、EW&Fって知ってます?
小沼 「セプテンバー」とか大好きですよ(笑)。でもEW&Fというとホーンの印象がありますけど、ストリングスなんですか。