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JBL初の完全無線イヤホン 音質高評価、難点は音切れ

「年の差30」最新AV機器探訪

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NIKKEI STYLE

急速に関心が高まっている「完全ワイヤレスイヤホン」。スマートフォン(スマホ)とイヤホンをつなぐケーブルだけでなく、イヤホンの左右をつなぐケーブルもないので、身軽に音楽を楽しめるのが魅力だ。2017年末からは大手オーディオメーカーも次々に参入し注目を集めている。前回はソニーとBOSEを比較したが(記事「完全無線イヤホン対決 音質はBOSE、機能はソニー」参照)、今回取り上げるのはJBL初の完全ワイヤレスイヤホン「JBL FREE」。世代が違う2人が音質や使い勝手を評価した。

◇  ◇  ◇

完全ワイヤレスイヤホンが人気だ。調査会社のGfKジャパンによれば、ヘッドホン(イヤホン)・ヘッドセットに占める完全ワイヤレスイヤホンの販売構成比は2017年12月時点で数量ベースで8%、金額ベースで26%。17年1月は数量で1%、金額で3%だから、大きく拡大していることがわかる。

そんな中、17年12月にはJBLがブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「JBL FREE」を発売した。実勢価格は1万4880円(税抜き)。GfKジャパンの調査によれば、17年の完全ワイヤレスの販売構成比は1万円台の商品が65%と主流。2万円台ではちゅうちょしてしまうという人でも手に取りやすい値段だ。そのぶん激戦区ともいえるが、JBL FREEの出来栄えはどうなのか。音質や使い勝手を、平成世代のライター(小沼)と、昭和世代のAV評論家、小原由夫さんが比較した。

音質はオーディオ評論家も太鼓判

小原(53歳のオーディオ・ビジュアル評論家) いやぁ、これは驚きましたよ。これまでいろいろと完全ワイヤレスヘッドホンを取り上げてきましたが、JBL FREEはその中でも1、2を争う音質だと思います。

小沼(26歳のライター) 僕も聴いていて音が良いと感じましたが、そこまでですか。

小原 優れた点は2つあって、まずはカナル型の完全ワイヤレスで、ここまで立体感を感じられたものはなかったということ。耳の中で音の近い・遠いがはっきり認識できるので、クラシックを聴いていても満足感が高いです。次に、音のレイヤーがはっきりわかるということ。アース・ウインド・アンド・ファイアー(EW&F)のベストアルバムを聴いていたんですが、このイヤホンはストリングスの存在にあらためて気付かせてくれました。ちなみに小沼さん、EW&Fって知ってます?

小沼 「セプテンバー」とか大好きですよ(笑)。でもEW&Fというとホーンの印象がありますけど、ストリングスなんですか。

小原 そう、ホーンのイメージが強いけど、その後ろにストリングスがあるんです。これまでも聞こえていた音かもしれないけど、その存在をわからせてくれたという意味ではすごい。完全ワイヤレスでこんなに「気づき」がある音ははじめてです。

小沼 僕は卓球と旅人(電気グルーヴの石野卓球とシンガーソングライターの七尾旅人によるユニット)の「今夜だけ」という、アコギの弾き語りにエレクトロニックな音が重なっていく曲を聴いていたのですが、空気感がとても繊細に再現されていて、ギターを弾く指使いが見えてくるような気がしました。これまで気づかなかった音に気づけるだけじゃなく、聞こえていた音の表情も再発見できるイヤホンだと思います。

小原 これだけの奥行き感やレイヤーを表現できている完全ワイヤレスは他にないです。JBLらしさという点ではもう少し馬力や押し出しがあってもよいと思いましたが、プレーンな音作りで、クラシックもファンクも、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)もアコースティックな曲も、何を聴いても良いと思いますね。

世代間で差があるJBLのイメージ

小沼 そもそも、JBLってオーディオ界ではどんな位置づけなんでしょう?

小原 そうか、平成世代は知らないのか……。僕のように1970~80年代のオーディオブームに青春を送ってきた人間からすると、JBLの3文字はひれ伏すほどの神通力があるんですよ。誰もが一度は使いたいスピーカーと思っていた、憧れの存在です。特に日本では。

小沼 そんなにですか! 僕、最近までそんなことは知らずに「安いわりに音が良いな」と思ってJBLのイヤホンを使っていました。

小原 JBLも最近は主戦場がBluetoothスピーカーやイヤホンに移ってきているんでしょうね。ただ、当時に憧れた身からするとJBLがこちらに注力しているのは歯がゆくもあるんですけどね。たしかに、最近のJBLはスピーカーではそこまで画期的なものは出てないからなあ……。いやあ本当に、僕の青春時代の憧れの存在だった……。

小沼 (昔語りのスイッチを入れてしまったかな……)。

人混みでのペアリングの切れやすさに難

小沼 音質は小原さんも太鼓判ですが、僕はペアリングが途切れやすいのが気になりました。新宿や渋谷などの人混みや満員電車の中だと左右のペアリングが切れやすく片方からしか聞こえなくなったり、スマホとの接続が切れてしまって音楽が聞こえなくなることがありました。

小原 僕もペアリングは不安定だと感じましたね。これまでに使ったソニーやBOSEは一瞬途切れることがあっても、すぐに再接続されていた。でもJBL FREEは一旦途切れると、なかなか再接続もされないんですよ。

小沼 一度は駅のホームにいる時は問題なかったのに、電車がホームに入ってきた途端不安定になったこともありました。ネット上のレビューでも途切れやすい点は指摘されています。JBL製品を取り扱うハーマンインターナショナルにも確認したところ、「Bluetoothなどの2.4GHzの電波が複数ある場所(駅などの人通りの多い場所など)では干渉により左右の接続が一時的に切れることがあります。現時点でのソフトウエアのバージョンアップなどでの対応予定はありません」とのことでした。

小原 ただ、ペアリングが不安定という弱点もありますが、それを補ってあり余る音質だと感じました。家で聴くとか、通勤の電車の中では聴くけど歩く時は外すという人には申し分ないと思いますね。

小沼 僕は歩きながら聴くことが多いので、ちょっとこれはフラストレーションがたまりました。音質も良いし、バッテリーも本体4時間、ケース併用で24時間とかなりタフ。おまけに雨天時や汗にも強いIPX5防水機能もついていて、ペアリング以外は完璧と言いたいくらいなのですが……。

価格は手を出しやすい1万円台

小原 デザインもスマートですよね。ケースもスタイリッシュですし、本体のかたちもプレーンで、圧迫感なく耳にフィットします。

小沼 イヤホン本体の重さは片耳7.5グラム、ケースは本体含め重さ84グラム。完全ワイヤレスとしては平均的です。ケースはポケットに入れるには少し大きいですが、カバンに入れて使うなら問題ないサイズですね。

小原 あとAppleのAirPodsのように、マグネットがついていて、ケースにイヤホンがスムーズに収納できるのも良いですね。

小沼 価格も1万4880円(税抜き)と、AirPods(1万6880円、税抜き)とほぼ同じ。GfKジャパンの調査では、完全ワイヤレスイヤホンの販売構成比の65%が1万円台の商品です。BOSEやソニーといった大手ブランドは2万円、3万円台ですが、やはり最初の完全ワイヤレスで2万円はちゅうちょしてしまうと思うので、手を出しやすい価格なのも魅力ですね。

音質は最高、街中で使うときには要注意

小原 まとめに入りましょう。僕はペアリングの途切れやすさは置いておいて、この音質はやはり特筆すべきだと思います。完全ワイヤレスイヤホンだけじゃなく、ワイヤードの製品と比べても優れている。個人的にもほしいと思いました。

小沼 僕はやっぱりペアリングの途切れやすさがネックです。前にも言ったとおり、音質やバッテリーなどはかなり理想に近いし、価格もBOSE、ソニーに比べれば手ごろなので20代でも手を出しやすいと思うのですが……。人混みで途切れやすいとなると、一番使いたい場面で使えないので。この点が改良されたら、間違いなく欲しくなると思います。

小原 どんな場面でイヤホンを使うかによって、評価が分かれるかもしれませんね。これは深読みですけど、このイヤホンはJBL FREEという名称や音作りも含め、全体的にプレーンで、パイロット版のような印象を受けました。もしかしたら、今後ノイズキャンセリングがついたり、よりデザイン性の高いものを作ったり、まだラインアップが控えていそうな感じがしました。今後さらに進化する可能性もあるという点で、注目ですね。

◇ ◇ ◇

音質の良さは世代を超えて高い評価となったが、ペアリングの途切れやすさも両者から指摘があったJBL FREE。最終的な評価も分かれる結果となった。購入を考える場合は、イヤホンを使う状況や環境を検討すべきだろう。

小原由夫
 1964年、東京生まれ。オーディオ・ヴィジュアル評論家。自宅の30畳の視聴室に200インチのスクリーンを設置しサラウンド再生を実践する一方で、6000枚以上のレコードを所持、アナログオーディオ再生にもこだわる。近著は『ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事』(DU BOOKS)。2018年最初に買ったCDは情家みえ『エトレーヌ』。

小沼理
 1992年、富山県生まれ。ライター・編集者。Apple Musicへの依存度が日に日に高くなっている一方、2017年はレコードプレーヤーを生まれて初めて購入した。2018年はまだCDは1枚も買っておらず、Apple Musicのみ。1月によく聴いたのは小袋成彬のプレイリスト「分離派の冬」。

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