リーダーが語る 仕事の装い

「真の着こなし」は殿下に学べ 「長く大切に」が基本 学習院大学 学長 井上寿一氏(下)

2018/2/4

 学習院大学の井上寿一学長は近代外交史の第一人者。国際連盟脱退をめぐる「軍部独走」の通説を覆すなど、意欲的な研究で知られる半面、ファッションでは親友、田中康夫氏の影響を受けたという「洒落者(しゃれもの)」の一面も併せ持つ。その立場から「やんごとなき」方々との親交も深く、皇太子殿下と装いについて語り合うこともあるという。幾つもの顔を持つ井上学長にファッション観について聞いた。

 前編「ファッションは親友、田中康夫くんに学んだ」もあわせてお読みください。




 ――スーツを購入する際、1、2時間かけるそうですが。

 「スーツを新調するだけでなく、『気に入ったシャツがくたびれてきた』、『ネクタイがほどけた』といった理由でもテーラーに出向きます。ネイビーやダークグレーのスーツに合う、前のネクタイと似た色調で、しかし少しだけ違ったものを探すのは結構大変です。違う色や派手なものを選ぶ方が簡単です。何本も見せてもらってようやく決めることができるのです」

 ――百貨店や洋品店をふらりと訪れ、何かを買うようなことはありますか。

 「ありませんね。フランスのパリで1度、シャツを買う必要が生じて、現地の店に入ったことがありましたが、自分のサイズに合ったものがない。試着してみると、まるでヤッコさんみたいになってしまったので諦めました。やはりスーツ、シャツ、ネクタイは『三位一体』で決めるのが正しいと思います」

■毎年パリで、自分への「ご褒美」

 ――小物はいかがですか。

 「毎年訪れるパリで、講演や研究がうまくいったときに、自分への『ご褒美』としてポケットチーフを買っています。もう20枚くらいですか。かさばらないし軽いのでちょうどいいですね」

 ――ポケットチーフを買い求める際の基準はありますか。

 「ブランドのロゴが周囲に見られてしまう服は恥ずべきだと思っています。あえて見られるのが好きな人もいるので困ってしまいますが(笑)。ポケットチーフはパリの街を歩いていてパッと見てよさそうなテーラーに入って買います。やはり手持ちのネクタイと合わせることを意識しますから、派手な柄は選びません」

学習院大学長の井上寿一氏
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