「何を買う」ではなく「何のため」 資産形成の第一歩

日経マネー

ところで「口座選び」はこれまでそれほど大切ではありませんでした。というのも今ほど多くの資産形成のための口座がなかったからです。しかし、ここにきて税制優遇を付けた新しい非課税口座制度がいくつも登場しています。特徴を理解して自分の資産形成の目標に合った口座を選ぶことは、効率的に目標の資産額に到達するために必要な意思決定と言えます。

儲けが課税されない少額投資非課税制度(NISA)がスタートしたのは14年です。非課税期間は5年と短いのですが、いつでも引き出せるのがNISAの特徴です。そのため、結婚資金や住宅資金など比較的短期の資産形成に活用できます。16年にはジュニアNISAが登場しました。18歳になる年の前年末まで引き出せない制度で、親や祖父母が教育資金を積み立てるのに向いています。

18年からは、非課税期間が20年と長いつみたてNISAもスタートしました。若年層が比較的長い期間の資産形成ができるのが特徴で、自身の退職後の生活や子供の結婚資金などに活用できるでしょう。個人型DC(iDeCo)も、17年からは公務員や専業主婦でも加入できるようになりました。iDeCoは60歳まで引き出しができませんから、退職後の生活用の資産形成に特化した使い方ができる口座です。

【こんなふうに伝えよう】

投資を始める時に最初にすべきことは、「何のために投資をするのか」「何のために資産形成に着手するのか」という、その目的をよく考えることです。そしてこれに合った投資先を見つけることがスタート地点です。

イラスト:ふじわらかずえ
野尻哲史
フィデリティ退職・投資教育研究所所長。一橋大学卒業後、内外の証券会社調査部を経て2006年にフィデリティ投信入社、07年から現職。アンケート結果を基にした資産形成に関する著書や講演多数。

[日経マネー2018年3月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年3月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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