文系でもAI人材に 学生起業家が挑む1万人育成STANDARD代表取締役の石井大智さん

学生たちは企業のインターンになり、技術者としての実践経験を積んだり、分野別の集まりを開くなどして技術力を高めている。

当初は9割以上の学生が挫折

石井さんらはAI人材の育成に奔走している

当初は悪戦苦闘の連続だった。そもそもAI系の団体が少なかったことから多くの学生がHAITに集まった。しかし、実に集まった学生の9割が技術習得の段階で挫折したという。

石井さんは「人工知能の中核となっている機械学習の技術は、ハードルが高い学問領域として知られています。前提となる知識が多岐にわたることと、スキルの大部分が実社会での経験の中でしか身につかないため、挫折した学生が少なくなかったのです」と語る。初期のHAITは、学生が参考書を持ち寄って独学で力をつけるやり方だったため、限界があったという。

石井さんは「最初のころのHAITの運営は、ふがいないというほかにありませんでした。成長の軌道に乗る学生と、そうでない学生の決定的な違いは何かということを考え続けるようになりました」という。

そして、石井さんは17年にスタンダードを起業し、AI人材の育成に本腰を入れることにした。仲間ら計5人でAI人材の法人向け研修や採用支援に乗り出した。

基礎的な「教育」と現場での「実践」

石井さんは、効果的な技術習得のためには、「基礎的な『教育』を受け、いち早く『実践』を経験できる環境に身を置くことが必要だと考えました」という。AI人材になるためには、具体的にどんな知識や技術の取得が必要なのか。

「主に3つです。機械学習などの数理統計と、Python(パイソン)というプログラム言語を含むコンピューターサイエンス、適用する事業や業界のドメイン(専門領域)知識が必要になります」と石井さんは明かす。

文系出身には高度なレベルに感じるが、「数理統計とコンピューターサイエンスは、基礎をコンパクトに学習することが可能です。パイソンは米国の小学校教育にも採用されているとっつきやすい言語ですし、機械学習の手法はパイソンのライブラリー(複雑な処理を簡単に呼び出せるツールのようなもの)を使えば、複雑な(ソフトウエアを作成する)コーディングをしなくても動かせます」という。