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Waris(ワリス)ワークアゲイン戦略顧問 薄井シンシアさん(Waris提供、工藤朋子撮影)

Waris(ワリス)ワークアゲイン戦略顧問 薄井シンシアさん(Waris提供、工藤朋子撮影)

2011年に52歳で海外から日本に帰国し、電話受付のアルバイトからキャリアを再スタートした薄井シンシアさんにとって、正社員になることは目的ではなかった。高級ホテルに勤務した際も、総支配人になることを目標には置いていなかった。彼女にとっての出世の定義は「人が付いてくること」。「資金提供者が現れ、『これでホテルを作りなさい』と言われたらベストな人材を集める自信がある」と語る、彼女のキャリアの原点は?(前回記事「『給食のおばちゃん』の主婦 52歳からスピード出世」参照)。

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ANAインターコンチネンタルホテル東京に契約社員として入る際、私はどちらが面接されているのかわからないぐらい、相手に質問をしました。

「なぜ、私を呼びましたか?」「5年後のビジョンは何ですか?」「私はこの組織のどこに入りますか?」「私が入ることによって、この組織がいい意味でどう変化することを期待していますか?」――。納得のいく答えが得られるのであれば私はこの会社に就職しますと、はっきり言いました。

ホテル勤務の経験はなかったので、内心、不安でした。最初に得た肩書は「セールス・マネジャー」。宴会の仕事を担当するはずだったのですが、入ったら急きょ、米国政府の関係者など要人を担当する宿泊のセールスを任されることになりました。前任者が辞めたことと、英語ができることが理由でした。

24時間以内にメール返信を自ら課す

なにごとも土台が肝心です。土台をしっかり作っておけば、その後がとても楽になり、時間的余裕もできて、新しいことにチャレンジできます。1年目、私はホテル業界のことを猛勉強しました。

心がけていたのは真面目に仕事をすることです。緊急事態にも素早く対応できるよう、常にスマートフォンを持ち歩き、ニュースをチェックしました。メールには24時間以内に返事。仕事を覚えるまでは連日、終電になることもいとわず働きました。そうすると、評判もよくなります。お客さんに「この人は頼りになる」と思ってもらえるまで、ひたすら真摯に対応しました。

人脈を広げようと、2年目には在日米国商工会議所の仕事も始めました。ボランティアだったこともあってか、あまりなり手のいなかった観光産業委員会の委員長に自ら手を挙げ、就任するとすぐ、口コミ旅行サイトの「トリップアドバイザー」や民泊仲介会社の「Airbnb(エアビーアンドビー)」など、話題の企業関係者を呼んでスピーチしてもらう企画を始めました。ホテルに勤務する者として観光業を巡る最新の動向を把握し、業界の垣根を越えて意見交換する機会を持ちたかったからです。

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