マネー研究所

ヴェリーが答えます

内部留保は過去の利益の蓄積 現預金とは無関係

2018/2/6

「内部留保に課税すべきだとの意見がありますが、バランスシートのどの部分でしょうか? 現金、その他預金でしょうか?」(千葉県、30代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

 内部留保とは、企業が稼いだ利益のうち株主への配当などに充当せず、社内に残す利益の蓄積のことを指します。貸借対照表には内部留保という項目はなく、「利益剰余金」として計上されます。内部留保である利益剰余金と、現預金の金額に直接の関係はありません。

 企業は1年間で稼いだ純利益から配当などを払います。残りを内部留保として社内に残します。内部留保は利益剰余金として資本金などと合わせて株主のお金である純資産を構成し、企業のお金の出元を示す貸借対照表の右側に表示されます。一方、現預金は企業の資産内容を示す貸借対照表の左側に表示されます。

 企業の資産のうちどれだけを現預金として保有するかは経営戦略のひとつで、内部留保とは無関係です。

 例えば、A社は利益剰余金および純資産が1億円とします。銀行から1億円を借りると、A社の総資産は合計2億円となります。経営陣が2億円のうちいくらを現預金とするかはA社の経営戦略次第です。

 株主から見た日本企業の問題点は過剰な内部留保にあります。一般に内部留保が多いと、銀行の信用度が増します。日本企業は金融危機の教訓から、信用度を重視して内部留保を多めに積んできました。一方、株主からは「内部留保が過大」と映るため、増配要求につながります。

 台湾などでは過度の内部留保の蓄積を避けるため、内部留保課税を導入しています。日本でも議論がありますが、内部留保の源泉となる純利益には法人税が課されています。内部留保課税は二重課税となるため、反対意見も少なくありません。

[日経ヴェリタス2018年1月28日付]

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