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オトナのスキルアップ入門

じぶん働き方改革 いつも計画倒れ、実は隠れ自信家?

日経ウーマンオンライン

2018/2/5

「計画通りにいかない」と悩んでいる人の、本当の気持ちは… (写真はイメージ=PIXTA)
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 自分の仕事の仕方を徹底的に見直し、今すぐ自己改革を始めよう! 働き方改革のコンサルティングを行っている池田千恵さんが、残業を減らして生産性を上げるためのタスク管理の方法を解説します。

◇  ◇  ◇

 目標達成や朝活のアドバイスといった、生活習慣と密接に関わる仕事をしている関係もあり、立てた計画が思うように進まないという悩みを聞く機会が多くあります。

 「いつも計画通りにできないんです」という悩みを持つ人は、口では「できない」と言っているので自信がないように見えますが、実は「隠れ自信家」だと私は見ています。「自分は本気を出せばもっとできるはずだ」「まだ本気を出していないだけだ」と思っているから、本気を出した自分ならできるはずの、スーパーマンのような計画を立ててしまうのです。

■計画が進まない人は「隠れ自信家」の可能性

 しかし、どんな人間でも365日24時間本気を出せるわけはありません。結局予定通りにいかず、そんな自分に落ち込むループに陥ります。

 「そうそう、そんな人いるよねー! 私は違うけど」と思っているあなたも、心当たりはありませんか? 毎日の予定に「今日は○○をする!」と書いたまま達成できず、1週間続けて同じことを書いていたら……。そんなときは、「私はまだ本気出してないだけ」「いつだって本気を出せば巻き返せる」と思いつつ、本気は永遠に来ないトラップにはまってしまっているのかもしれません。

 かく言う私も本の執筆のときにはいまだに「気合と根性」を注入しがちで「1日1万字書いて10日で仕上げる!」などという絶対に無理な目標を設定し、なんとなくできる気がしながら1カ月たってもほとんど書けていない、ということもあるので偉そうなことは言えないわけですが……。どうして人は、普通に考えたら絶対に無理な目標を「気合と根性で頑張ればできる気がする」と思ってしまうのでしょうか。

■自分を過大評価しないためのタスク管理法

 能力がまだまだ追い付いていないのに、自らの発言や行動などについて実際よりも高い評価を行ってしまうことを、心理学用語で「ダニング=クルーガー効果」と呼ぶそうです。自分が「ダニング=クルーガー効果」に陥っていないかを意識的にチェックできるかどうかがタスク管理の鍵です。

 では具体的にどうしたらよいでしょうか。詳しく説明しましょう。

 「自分はもっとできるはずだ」と過大評価してしまう人は、タスクの立て方/タスクの振り返り方、両方が「雑」です。雑だから、客観的に分析できるデータになっておらず、振り返って改善しようにも改善できないのです。2つの「雑」とは具体的には以下のようなことです。

1.タスクの立て方が雑

 大きな「すべきこと」を一つ掲げるせいで、何にどれだけ時間がかかっているかが曖昧になっています。例えば「今まで1週間かかっていた企画立案を3日で終わらせる!」というざっくりした計画を立ててしまい、企画立案の中のどの作業が何分かかるかまで予想できないのがこの状態です。仕事の「粒」を小さくすると達成感が得られる上に進捗も分かりやすくなります。

2.タスクの振り返りが雑

 予定を立てたらそこで満足してしまい、振り返りがきちんとできていません。

 現実を見ると、例えば10もできると思っていたことが、実は1しかできなかったということが明らかになったとき、自分の能力が低いと思いたくないから、目をそらしてしまうのです。

 いずれにしても、まずは等身大の自分と向き合うことから始めましょう。2つの「雑」をクリアすることができれば、無理な目標を立て、できない自分を責めるループから脱却することができます。

 予定を立てただけでできた気になる自分と、実際にはできなかった自分。この2つを冷静に突き合わせる手段としておすすめなのが、会社で使用しているアウトルックなどの予定管理ソフトを、予定だけではなく実際にやったことまで記入し、「予実管理ツール」として活用することです。次から詳しく説明していきます。

■自分を過大評価しないためのタスク管理法

 一般的に、会社で使用している予定管理ソフトには

●10:00~11:00 定例ミーティング

●12:00~13:00 ランチ(Aさん)

といったように、その日の「相手がいる予定」を入れますよね。

 それに加えて、図のような要領で、自分が何にどのくらい時間をかけたかをその都度追加し、検証してみましょう。

●9:00~9:30 メールチェック

●9:30~10:00 定例ミーティングの課題見直し

●10:00~11:00 定例ミーティング

(定例ミーティングの内訳)

 ・10:00~10:15 議題確認

 ・10:15~10:40 今後の議論

 ・10:40~11:00 次回の議題設定

●11:00~11:30 定例ミーティング議事録作成

●11:30~12:00 見積もり書作成

●12:00~13:00 ランチ(Aさん)

●13:00~13:30 メールチェック

●13:30~16:00 3/1企画会議資料作成

 オススメは、タスクを「食いぶち(緑)」「種まき(赤)」「日課(青)」「思いつき(黒)」の色分類で分けることですが、そこまでやるのは大変だという場合は色分けをしなくてもかまいません。

予定管理ソフトに、このように記入してみよう

 図の中の「余力があれば優先度で色分け」のところ、左半分が「事前に立てた予定」で、右半分が一日の終わりに振り返って記入する「実績」です。

 私たちは普段、なんとなく仕事を進めていて何にどれだけ時間をかけたかについて無頓着なことが多いものです。このように、スケジュール表に「実際はどうだったか」を書き足すと、予定通りできたか、計画に無理があったかどうかなどを後で振り返り、検証、分析できるようになります。

 ……ここまで読んで「えー面倒臭い!」と思った方が大半かもしれません。はい、確かに面倒臭いです。しかし、我慢して1週間だけでいいのでやってみてください。我慢したなりの効果は保証します。自分が何にどれだけ時間をかけているか、生産性が高いのか低いのかが一目で分かるようになり、コスト意識も身に付きますよ。1週間も続ければ、かなり作業見積もりが正確にできるようになってきます。

 この作業はためてしまうとさらに面倒になるので、1週間だけはその都度作業時間を測る! と覚悟を決めて、ストップウオッチ片手に時間を作ってチャレンジしてみてください。

■手書きの手帳での活用法

 アウトルックなどのスケジュール管理ソフトを使っていない職場の場合は、バーチカル式(ウイークリー欄が1週間で見開きになっていて、30分~1時間ごとに縦に目盛りが刻まれているタイプ)の手帳でも代用可能です。

 ウイークリー覧の真ん中に、自分で点線を入れます。左に予定を記入、右に実績を記入して、自分の立てた予定通りに進捗できているかを日々チェックするようにしましょう。予定と実際がどのくらい離れているかが、一覧となってパッと「見える化」できます。

 できない自分を見つめることはつらいことです。しかし、まず等身大の自分を見つめて、「ダメさ加減」を客観的に把握してみましょう。最初は「自分はもっとできる人だと思っていたのに」と落ち込むかもしれませんが、底を打てばあとは上がるだけ。「どうすればできるようになるか?」の視点を身に付けることができるようになりますよ。

 あなたのチャレンジを心から応援しています!

池田千恵
 株式会社 朝6時 代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業や自治体の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。「絶対! 伝わる図解」(朝日新聞出版)、「朝活手帳」(ディスカヴァー21)など著書多数。

[nikkei WOMAN Online 2018年1月24日付記事を再構成]

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