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卵を守り育てる海の生き物たち 命をつなぐ美しさ 日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2017

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/2/7

ナショナルジオグラフィック日本版

グランプリを受賞した粕谷徹さんの作品「命をつなぐ」は、4枚組で構成されている。この写真は卵の世話をするクマノミ

 国際的に活躍できるドキュメンタリー写真家を発掘し、日本から世界へ送り出したい――。そんな思いを込めて創設された「日経ナショナル ジオグラフィック写真賞」の第6回受賞作が発表された。

 栄えあるグランプリに輝いたのは、懸命に卵を守り育てる海の生き物たちの姿をとらえた粕谷徹さんの作品。粕谷さんは2016年(第5回)にネイチャー部門で優秀賞を獲得しており、2度目の挑戦で頂点の座をつかんだ。

 グランプリを受賞した粕谷さんは「ただただ驚きました」と話す。2016年に優秀賞を獲得したときは、まだ会社員だった。だがそれ以降、大きなコンテストで高い評価をもらえたことが自信となり、「今、やらないとだめだ」と退職を決意。プロの写真家として活動を始めた。そんな粕谷さんにとって、グランプリ受賞はこの上ない吉報となった。

「命をつなぐ」より。マダコ

 審査委員長を務めた写真家の野町和嘉氏は、グランプリ受賞作を「命の誕生を忍耐強く観察した完成度の高い4枚組。生命体と向き合う写真家のまなざしがしっかりと表現された秀作だ」と評価する。写真家の中村征夫氏も、「気持ちが高ぶっている生き物を驚かさないように近づき、卵を守る親の表情や、歓喜の一瞬をとらえている。撮影には周到な調査や準備が必要だっただろう。今後の活動が楽しみだ」と評した。

 粕谷さんには、賞金100万円が贈られるとともに、米国ニューヨーク市で個展を開催する機会が与えられる。「南北に長い日本の海は生物相が多様なうえ、人が暮らす場所のすぐそばでも豊かな自然の営みを目にすることができる。そんな魅力を世界に伝えていきたい」と粕谷さんは語る。

「命をつなぐ」より。ガラスハゼ
「命をつなぐ」より。オニカジカ

 このほか、ネイチャー部門の最優秀賞には森の中で美しく光るキノコをとらえた湯淺光則さんの作品、ピープル部門の最優秀賞にはヒマラヤ最辺境のインド・ザンスカールの谷を取材した北原ふみえさんの作品が選ばれた。次ページで、これら2つの最優秀賞受賞作を紹介する。

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