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VWポロ「クルマはエコのみに生きるにあらず」

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日経トレンディネット

欧州では2017年発売された6代目となるフォルクスワーゲン「ポロ」。「東京モーターショー2017」で日本初公開され注目を集めた新型ポロに、小沢コージ氏が試乗した。

◇  ◇  ◇

日本ジャストサイズのワーゲン

キター、久々のドイツ勢大逆襲! 思わずそう叫びそうになりましたよ、新型6代目フォルクスワーゲン「ポロ」。ご存じ世界のベストセラーコンパクトカー「ゴルフ」の弟分で、最大のキモはいまだ全長4mチョイをキープしている手ごろなボディーサイズ。

兄貴分のゴルフは4.2m台でそっちのほうがグローバルスタンダードではあるんだけど、道の狭い日本や一部アジアじゃ小さければ小さいほど喜ばれる。実際、なんだかんだ登録車で日本一売れているホンダ「フィット」、トヨタ「アクア」、日産「ノート e-POWER」はすべて4m前後とまさしくポロのガチンコライバル。

ところがポロは輸入車だけに価格は微妙に高めの200万円台で、日本じゃフィットやアクアほどには売れません。でもコンスタントに年間販売台数1万台をキープし、全モデルで年間6万台行けば御の字の輸入車ブランドにとって重要過ぎるヒットメーカー。グローバルで1400万台以上とゴルフの半分くらい売れ続け(ゴルフは3300万台以上)、VWグループジャパン不動の3番バッターとして君臨してきているクルマなのです。

唯一の弱点はハイブリッドがないこと

日本では若干不調気味ではありますが、VWグループの2017年の総販売台数は過去最高となる1074万台を記録し、トヨタグループを2年連続で抑えて再びグローバル世界一。彼らとしてはさらに成長するために、これまで以上に攻めた商品作りをしなければならなかったのでしょう。

よって6代目ポロはスタイル、広さ、質感、ハイテク度の全域で攻めてきており、唯一厳しいのはパワートレインにハイブリッドの設定がないこと。これこそが世界と日本の温度差で、その不利な条件を、はたしてVW流新クオリティー攻撃はどこまでカバーできているのか?

今年春には上陸するという新型ポロを本拠地ドイツ・ヴォルフスブルグ周辺で小沢コージが検証してまいりました。

一瞬ゴルフに見えるツラ構え

最初のキモは「あれれ? ゴルフか?」と一瞬思わせるエクステリアでしょう。

今までもポロはゴルフの弟分でしたが、かつては露骨に丸目だったり目が大きめだったり、よりかわいさを強調していた部分がありました。ところが6代目はこれまでになくクール。仕様にもよりますがLEDヘッドライトは横一線グリルにスクエアにつながった今まで以上のすまし顔。かつての「僕はゴルフの弟ですから」みたいな控えめ感は減っています。

同時にサイドのマッチョ感も増していて、横幅は試乗した欧州モデルで全幅1751mmと現行より63mmも拡大。

かたや絶妙なのはボディーサイズで全長×全高は4053×1446mmとついに4m突破。これは旧型より81mm長くて7mm低い設定で、それ以上に車内の広さに露骨につながるホイールベースは2564mmと94mmも拡大。

その分、室内は明らかに広く、身長176cmの小沢がフロントに座ったポジションで、リアにも十分座れ、ヒザ前に若干スペースが余るくらい。ラゲッジも旧型の280Lから351Lへと大幅拡大してほぼ現行の7代目ゴルフ並み。実際、室内の広さは4代目ゴルフに匹敵するとか。

それでいて全長4mチョイは明らかに扱いやすく、日本ジャストサイズ。問題は1.7mを超える横幅ですが、その分リッパ感があるのは確かで、ここのあたり迫力不足ともいえるアクアやヴィッツに比べてどう考えるか。

「幅広すぎ」と捉えるか「カッコいい」と捉えるかはアナタ次第!

リアコンビランプはゴルフに比べると小ぶりで控えめである一方、ボディーカラーはゴルフ以上のポップ路線で全14色と豊富。このあたりは変わらず「ポロっぽい」です。

インテリアクオリティーは圧倒的に高い

日本のライバルに対する圧倒的アドバンテージといえば、やはりインテリアの質感でしょう。依然オモチャっぽいところが残る日本勢に対し、いかにも本格乗用車って感じのポロでしたが、新型でもその差は明らかに広がっています。

 8色から選べるポップなカラーパネルは賛否両論かもしれませんが、その合間を埋める黒い樹脂はついに上質なソフトパッドに。デザインも今までの実直フォルムから様変わりして流麗でカッコいい! なかでもゴルフもビックリの新世代インフォテイメントシステム「ディスカバーメディア」は8インチと大きく見やすいうえ、スマートフォン連携も容易。ゴルフで採用されている「ディスカバープロ」と違って、音量用などツマミが2つ付きますが、小沢的にはかえって使いやすいくらい。

また今回の試乗車は未装着でしたが、メーター部分全体がディスプレーになる「アクティブインフォディスプレイ」を選ぶことができ、コンパクトカークラスとしては明らかに世界最先端。今回は試せませんでしたが、独自インターネットサービス「VWカーネット」にも対応済みです。

現行ゴルフと同じMQBプラットフォーム

そして新型ポロの最大のキモでありアドバンテージは乗り心地の良さであり上質感。ボディー骨格に使っているゴルフ譲りのMQBプラットフォームはポロからパサートクラスまでカバーする新世代骨格。高張力鋼板を多用し、リーズナブルに軽量高剛性を実現でき、事実ポロは走りの味がゴルフ並みに上がっています。

正直あれほどしなやかさはないですが、ステアリングは軽い中にも手応えがあり、なにより静か。「これで200万円ちょいのクルマなのか?」って感動は味わえます。

唯一の弱点とも言えるパワートレインはドイツ流のダウンサイジング手法で対応していて、欧州仕様はゴルフ譲りの1.5L直列4気筒ターボに加え、新世代の1L直列3気筒ターボも選べます。コンパクトカーの「up!」にも使われている高効率ユニットで、今回小沢は95馬力の7速デュアルクラッチ仕様に乗りましたが、パワー的にはほどほど。

エンジン回転で3000rpmを超えると多少うるさく、高速時の加速もトルク感薄めでしたが、その分、実燃費は日本でも20km/Lを超えてきそうなレベル。ハイブリッドにはかないませんが、ガソリンエンジンとしては上々の低燃費性能を発揮しそう。

そのほかMQBプラットフォームの恩恵はハイテク安全の充実度にもうかがえ、こちらもゴルフ顔負け。歩行者対応被害軽減ブレーキの「フロントアシスト」やセミ自動運転ともいえる「パークアシスト」「アダプティブクルーズコントロール」や「アクティブボンネット」などを標準装備。日本仕様でもベーシックモデルからコノ手をぶっ込んでくるはず。

今や走り以上に安全装備でクルマを選ぶ時代に入ってきており、このあたりの導入価格によってはこれまた日本車を食う魅力を発揮するかもしれません。

燃費ではなく走りの味を重視するなら

まさにジャストサイズワーゲン! ジャストサイズゴルフ!! ともいえる新型ポロ。車幅以外はアジアベストフィットなサイズ感を守っており、それでいて質感やハイテク安全は世界最高レベル。このクラスでは当たり前ともいえるハイブリッド仕様がないのは残念ですが、この使い勝手、走りの味で200万円ちょいスタートはかなりの競争力。

今までアクアやフィットしか乗ったことのない人がその質感や走りの味にビックリさせられること請け合いで、燃費だけ見るとどんなに荒く乗っても平気で20km/Lを超えてくる和製ハイブリッド勢に燃費はかないませんが、一度乗り比べたらポロにハマる人も出てくるはず。

要するに本場ドイツのソーセージのようなもので、カロリーはちと高めかもしれませんが、味は保証付き。

最大のキモは乗ってみることで「輸入車は高い」「燃費悪い」と食わず嫌いな人も一度は試してみてほしい。買わずとも、こういう味のコンパクトカーがあると分かってもらえるはずです。

今や日本は燃費と使い勝手だけでクルマを選んでいるようなフシがありますが、世界は今も走りの味を重視しており、なかでもこのコンパクトカークラスは味勝負の時代に入ってきています。

人はパンのみに生きるにあらず、ではありませんが、クルマもまたエコのみに生きるにあらず、なのです。小さくともより上質なクルマに乗りたい。そういう人にぜひ1度試していただきたいと思います。

小沢コージ
 自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

[日経トレンディネット 2018年1月26日付の記事を再構成]

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