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ホットワイン、冬のドイツ名物 幸せ呼ぶ香りと温かさ

2018/2/1

赤ワインにスパイスとフルーツを加えて温めたグリューワインはドイツの冬には欠かせない

 強い寒波に大雪。冷えた体を温め、この季節らしい味覚を楽しむとすれば、鍋物に熱燗、と思いつく。そこで、温めた酒を楽しむ文化は日本独特と思うかもしれないが、実はそうではない。ドイツにはグリューワイン(Gluhwein)という飲み物がある。主に赤ワインにスパイスやフルーツを加えて温めたもの。いわゆるホットワインのことだ。

 と書いている筆者自身、この味を知ったのは昨年暮れのことで、それ以前は「ヨーロッパではワインを温めて飲む飲み方もある」ぐらいの話を知識として知っているだけだった。

 ところが11月下旬、現在ドイツに住んでいるかつての同僚がクリスマスカードを送ると言っていたのが、実際に届いたのは封書ではなく小包で、そしてそれにはドイツのクリスマスシーズンには欠かせないシュトレンなどの甘い菓子が入っていた。

 そしてもう一つ、ティーバッグも入っていた。手紙には「グリューワインも入れておいた」とある。そこで初めて、グリューワインとは単に加熱するだけではなく、香味も加える、いわば温かいサングリアのようなものだと合点した。

ドイツの友人からの荷物には、日本でも知られてきたシュトレンとレープクーヘンに加えて見慣れぬティーバッグが入っていた

 さっそく、手許にあった赤ワインを火に掛け、そこにティーバッグを沈めた。沸騰させてはいけない。それでも鍋の縁がふつふつと湧きだした頃には、独特の香りがキッチンに充満するようだった。

 まずクローブ(丁子)の独特の香り。そして甘酸っぱい柑橘類の香り。これを厚手の耐熱グラスに注ぐと、赤ワインに白い湯気が立つのがよく見えて、いかにも温かそうだ。少し酸味が立ちながら、クローブとシナモンの香りが味に丸みをつけるような印象がある。

 これはいい、などと、ついつい飲み過ぎてしまいそうな、ちょっと危険な雰囲気もあるが、いつものワインよりはアルコールが飛んでいるようでもある。

国内でもティーバッグタイプのグリューワインの素を売っていた 中身はクローブ、シナモン、オレンジピール

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