仮想通貨で利益、税金はどうなる? 最高税率は55%雑所得だが総合課税に。商品購入、通貨交換にも課税

漏らさないようにしたいのが仮想通貨で商品を買った場合。商品購入時点の差益に課税される。仮想通貨を何単位使い、いくらの商品を購入したのかを知るために「レシート類などを保管しておく必要がある」(柴原一税理士)。作成した取引明細は「確定申告書に添付する必要はない」(国税庁)が、税務署からの問い合わせに備えて最低5年間は手元に保管しておこう。

一部投資家が衝撃を受けたのは「ビットコインからイーサリアム」など、仮想通貨同士の交換も課税対象になったこと。頻繁に通貨交換をしていると知らない間に差益が膨らむ可能性がある。新しい種類の仮想通貨を入手する際は交換ではなく新規購入の方が課税リスクを抑えられる。

納税資金の確保を

仮想通貨の価格変動は急だ。今年に入り主力通貨ビットコインが急落する場面があった。「雑所得は他の所得との損益通算はできないが、雑所得内はできる。相場下落時に損失を確定すれば利益を圧縮できる」と井上剛夫税理士。その上で関連セミナーの参加費、書籍代などの必要経費はこまめに記録しよう。

前年に多額の利益が出た人は納税資金の確保が必要だ。仮に今年に大きな損失が出ても、前年の利益への課税は消えない。柴原税理士は「利益の約半分は納税のために確保しておきたい」と話す。

「過少申告や無申告が発覚すると、本来の税額におおむね5~50%が加算される」(八木橋泰仁税理士)。税務申告は税理士に相談したいところだが、仮想通貨取引の申告に十分対応できる税理士はまだ少ない。今後も取引したい人は、これを機会に申告作業に慣れておこう。

(南毅)

[日本経済新聞朝刊2018年1月27日付]

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