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強力!マダニの唾液の接着剤 医療用に役立つ可能性も

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/2/3

ナショナルジオグラフィック日本版

北米に生息するシカダニ。インフルエンザのような症状をもたらすライム病をはじめ、人間を苦しめる複数の病気を媒介する(PHOTOGRAPH BY JUNIORS BILDARCHIV, ALAMY)

 致死率30%というウイルスをはじめ、恐ろしい病気を媒介する寄生生物のマダニは、自前の接着剤で宿主の皮膚に貼りついている。この接着剤は強度十分なうえ、人間の皮膚に接着できることから拒否反応も少ないと思われ、医療用接着剤として応用できる可能性が出てきた。

 700種以上いるマダニ科の仲間は、まずペンチのような器官で宿主の皮膚を切り裂き、細長い口器を差し込んで取り付く。だが、動き回る宿主の皮膚に、ときに1週間以上もしがみついているのは簡単ではない。そこで、血を吸う場所で接着剤を使うわけだ。しっかり固まるこの接着剤は「セメント様物質」と呼ばれる。

 「すべての種がこの技を持っているわけではなく、その量も種によって異なります」と言うのは、科学誌「Biological Reviews」にマダニのセメント様物質に関する論文を発表したシルビア・ニュルンベルガー氏だ。

 今回の論文のために、オーストリア、ウィーン医科大学整形外傷外科学部の研究者であるニュルンベルガー氏らのチームは、接着剤が含まれるダニの唾液に関する既存のすべての論文に目を通した。おかげで、これまで報告例の少なかったセメント様物質に関して広い観点から考察できたという。

■宿主の免疫系をもてあそぶ

 マダニの唾液には、接着剤のほかにも、宿主の免疫系を抑制したり、痛みやかゆみを抑えたりして、血を吸っていることを気づかれないようにする成分も複数含まれている。

 「マダニはいわば、宿主の免疫系をもてあそんでいるのです」とニュルンベルガー氏。

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