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寒ブリ、独自の下処理で磨きかける 美浜「ひるが響」

2018/2/6

背の握り 身のうまみが出色

 かつて、京都の朝廷に日本海の海産物を献上し、御食国(みけつくに)と呼ばれた福井県若狭湾沿岸。若狭がれい、若狭ぐじなどおいしい魚には事欠かない。そんな若狭湾沿岸の美浜町で、新たなブランド魚づくりの取り組みが始まった。

 昨年12月、美浜町と同町漁協は共同で、新たなブランド魚「若狭美浜寒ぶり・ひるが響(ひびき)」を開発したと発表した。

 出世魚として人気が高いブリだが、旬の冬は、産卵期を控えて脂のりが良くなることから「寒ブリ」として特に珍重される。寒さを避けて北海道から南下してくるブリが、能登半島に遮られるように富山湾に集まるころには、ちょうどいい脂のりになるとされ「氷見寒ブリ」などのブランドで、すでに人気が高い。

「若狹美浜寒ぶり・ひるが響」ブリしゃぶ用の切り身

 能登半島を越えた先、若狭湾も、南からの対馬海流によって生じる暖かい海流と日本海の冷たい海流とがぶつかる水域。海水に巨大な上下の循環が生まれ、深海に堆積した栄養分が海面近くまで押し上げられることで、豊かな漁場となっている。そんな若狭湾に揚がるブリのおいしさにさらに磨きをかけ、広く売り出すために誕生したのが「若狭美浜寒ぶり・ひるが響」だ。

 ブランドの条件は、(1)11月下旬から1月の間に福井県美浜町日向(ひるが)で水揚げされたブリであること、(2)「活け越し」、「血抜き」、「神経締め」の処理をしていること、(3)重さが8キロ以上で魚体が優れていること……。旬の漁獲や魚体の大きさといった基準は他のブランド魚でも一般的だが、「ひるが響」は(2)の漁獲後の下処理が最大の特徴になる。

ぶり大根

 魚に限らず肉なども同様だが、どんなに質が優れていても、適切な解体処理を施さないと、身や肉に血液が残留してしまったり、解体中に出る汚物が触れてしまったりすることで、大きく風味を落としてしまう。「ひるが響」は、地元で「美浜三段締め」と呼ばれる3段階の下処理を施すことで、そうしたリスクを回避、高い品質を保つことを定めている。

「活け越し」は、定置網で捕獲したブリをすぐに処理せず、生かした状態で漁港に持ち帰り、しばらく安静を保つ手法。暗い水槽で興奮状態を落ち着かせることで、味の劣化の原因と言われる筋肉中の乳酸の解消を促す。さらに、食べたエサを消化させることで、さばく際に、胃の内容物の臭いが身に移ることを防ぐ狙いだ。

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