エンタメ!

なやみのとびら、著名人が解決!

部下の欠点ばかり目がいきます 著述家、湯山玲子さん

NIKKEIプラス1

2018/2/1

著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ!」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。

 銀行の管理職です。部下や同僚の欠点ばかり目がいき「使える」「使えない」とレッテルを貼ってしまいがち。今どきの管理職に求められる、優しく成長を促す言葉がかけられません。社内の360度評価でも「厳しすぎる」との評。どうしたら良いところに目がいくようになりますか。(東京都・女性・40代)

 40代で銀行の管理職ということは、すでにビジネスマインドが染みついていると考えられるので、シンプルにお答えします。それは「ソンすることはやっちゃダメ」ということ。部下や同僚の仕事の能力を冷静に見極める、というのは、もちろん会社にとって必要な判断能力です。しかし社内の360度評価では「厳しすぎる」という判定が出てしまっている。すなわち出世に響く「ソン」なことを分かっているのに止められない。なぜか?

 相談者氏は受験戦争でたたき込まれた、失点が命取りになる点数評価ヒエラルキーを仕事に持ち込んでいるような気がします。それが血肉化しているからこそ、できるできないの二元論でバッサバッサ人を切っていく。そしてここが問題なのですが「正しいことをしている自分を影で評価してくれている上司がいる」という妄想ともいうべき期待さえ持っているかもしれません。

 銀行は職務上、間違いが許されないという意味で、減点主義とは相性がいい。しかし複雑なコミュニケーションが絡み、打たれ弱い若い世代も多い現場では、それだと見損なう能力が多々あると会社も気づいているわけです。

 さて、相談者氏に足りないのは「社長の目」です。常に会社にとって「トク」なことを考えるのが社長。管理職は経営に近いところにいますが、やはり相談者氏のように減点主義管理マインドの人間は多い。それでは「次の時代に生き残る銀行」の経営者候補は出て来ません。

 会社員としての「トク」を考えるならば、人に厳しいエネルギーを自分の勉強に充てることです。金融と市場関係の本を徹底的に読み、勉強会に出かける。いろんな業種の人間とプライベートで会い、彼らの銀行感、金融感をナマで聞く。中国やアフリカの都市に出かけてその経済活況を肌で知る(自費で!)。

 私が社長ならば、激動する金融環境の今を知り、知見に満ちた人材を横におきたいと切に願うでしょうね。もしかしたら相談者氏自身にも、もっと条件のいい会社や独立の道さえ開かれるかもしれず、コチラの方が断然「おトク」。点数マインドを捨て、自分にも会社にも「おトク」の海原に船出しましょう。

 あなたの悩みをサイトにお寄せください。サイト「なやみのとびら」(https://www2.entryform.jp/tobira/)から投稿できます。

[NIKKEIプラス1 2018年1月27日付]

エンタメ!新着記事

ALL CHANNEL