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外国人が次に目指す 「ディープジャパン」15選

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NIKKEI STYLE

海外からニッポンを目指す観光客が年間3000万人の大台に近づいてきた。
東京や京都など「ゴールデンルート」を経験した人たちは、次にどこを目指すのだろう。
訪日経験があり滞在日数が長い米国人とオーストラリア人に聞いたところ、日本人には意外な"ディープジャパン"が見えてきた。

静かな地方都市が旅のクライマックス

2017年の訪日客数は1位中国、2位韓国、3位台湾などアジア勢が上位を占めた。米国は5位、豪州は7位だ。今回、この2カ国を対象にしたのは、滞在期間が2週間程度と長くて地方都市を訪れる機会が多く、ディープジャパンを探りやすいからだ。

調査で「これまで訪れた中で最も印象に残った観光地」を聞いたところ、東京、大阪、京都、奈良、広島、富士山などは言うに及ばず、箱根や日光、函館、金沢、高山、沖縄なども多かった。

ディープジャパンを求める訪日客は東京も京都も行くけれど、同時に小さくて静かな地方都市を旅のクライマックスとして組み入れ、大都市では味わえない経験を満喫しようとする。インバウンド・コンサルティングを手がける、やまとごころ(東京・新宿)の村山慶輔社長は「わざわざ何時間もかけて日本に来るのだから、自国ではあり得ない風景や体験を求める。日本で有名かどうかは関係なく、自国とのギャップが大きいところほど行きたいと彼らは考えている」と分析する。

1位 高野山奥の院 96ポイント
杉と慰霊碑の中を歩き心休める(和歌山県高野町)

空海(弘法大師)が眠る御廟(ごびょう)がある聖地。約2キロメートルある参道の両側には、約1300本の杉木立の間に20万基を超す諸大名らの墓石や慰霊碑が立ち並ぶ。ミシュランガイドや英BBCなどで紹介され、外国人には定番の観光地になりつつある。

現地で外国人に話を聞いた。「大都市と好対照の小さな町。宗教や歴史が感じられ、人が少ないのでほっとする」(フランス人の男性)。「娘に異文化を見せたいと家族3人で来た。とても神聖な雰囲気で心が休まる」(ブラジル人の男性)。「友人から高野山の宿坊に泊まると独特の体験ができると薦められた」(英国人夫婦)

調査では「神秘的。新鮮な経験ができそう」(米国、50代女性)、「宿坊に泊まって山に登り、雪も見てみたい」(豪州、20代女性)などの声があった。宿坊を営む恵光院が英語で毎日開く修行体験やナイトツアーも人気を集めている。

(1)アクセス 南海高野線で難波駅から約110分(現在は橋本―高野山駅間をバス代替輸送中)(2)問い合わせ先 電話0736・56・2616(高野山宿坊協会)

2位 鋸山(のこぎりやま) 88ポイント
断崖絶壁から眺める富士山(千葉県鋸南町・富津市)

標高329メートルの山頂から富士山や天城山、伊豆大島などが一望でき、徒歩や自動車、大型ロープウエーで登れる。断崖絶壁から突き出した岩にある展望台「地獄のぞき」はスリル満点だ。

山頂から山裾までは一気に落ち込み、石切り場の跡が垂直の崖としてあちこちに残る。かつて房州石と呼ばれる石材を切り出した名残だ。山腹には日本寺の境内が広がり、高さ約30メートルの百尺観音や、同約31メートルと岩を掘った仏像としては日本最大の大仏、1500体以上の石像「千五百羅漢」などがある。

「都心から日帰りできる。地獄のぞきからの景色は期待以上。登山は険しすぎず、変化に富んでいて楽しい」(ジャパンガイドのシャウエッカーさん)。外国人にはロープウエーで登り、徒歩でゆっくり下るパターンが人気だ。「また行きたい」(米国、30代男性)、「展望台からいろんな景色が楽しめる」(米国、40代男性)。

(1)JR内房線浜金谷駅から徒歩約8分(2)電話0470・55・1560(鋸南町地域振興課まちづくり推進室)

3位 祖谷(いや)かずら橋 83ポイント
つり橋のスリルと絵になる風景(徳島県三好市)

徳島県西部の秘境・祖谷にある、野生のシラクチカズラで編んだつり橋。長さ45メートル、幅2メートル、川面からの高さは14メートルあり、足元の隙間からのぞき込むと目もくらむほど。橋上を歩くとギシギシと揺れ、足が震えるほどのスリルを味わえる。春は藤、秋は紅葉など四季折々の景観により橋の見え方も変化する。午後7時から9時半まではライトアップされ、闇夜に照らされた風景は幻想的だ。

米国出身で東洋文化研究家のアレックス・カー氏が古民家再生プロジェクトに取り組み、英語でも情報発信している。大歩危(おおぼけ)峡など地域全体の知名度も高まってきた。「絵になる風景」(米国、40代女性)、「怖いけど渡りたくない人はいないはず」(豪州、30代女性)。

(1)JR大歩危駅からバスで約25分(2)電話0120・404・344(三好市観光案内所)

4位 三渓園 82ポイント
桜や紅葉、歴史とともに味わう(横浜市)

17万5000平方メートルもの園内に、京都や鎌倉などから移築した歴史的価値の高い建物を配置。豊臣秀吉や徳川家康が建てたものなど、10棟の重要文化財がある。庭園も人気で、梅や桜、紅葉の名所として有名。「京都の雰囲気に似ており、こんなに素晴らしい庭園が東京の近隣にあるのにびっくり。三重の塔など外国人の好みがそろっている」(シャウエッカーさん)

「景観がとても印象的」(米国、30代男性)、「瞑想(めいそう)にふけるのにもってこいの場所」(豪州、60代男性)。


(1)横浜駅からバスで約35分(2)http://www.sankeien.or.jp

5位 貴船 74ポイント
渓流の真上で食と自然味わう(京都市)

京都の奥座敷として知られる。細長い渓谷に旅館が立ち並び、夏は川の上に板を敷いて食事をする「川床(かわどこ)料理」が有名。上流には神社があり、秋は紅葉の名所だ。

「渓流の真上のレストランで食事できるなんて他に見たことがない」(豪州、20代女性)。「京都中心部から離れた小さな村という感じがいい。鞍馬寺と貴船神社間のハイキングコースも人気」(シャウエッカーさん)。

(1)叡山電車貴船口駅からバスで約5分(2)http://kibune.jp/(貴船観光会)

6位 高千穂峡 72ポイント
谷底から迫力満点の絶景(宮崎県高千穂町)

阿蘇山の火山活動で生じた、荒々しいV字型の峡谷。高いところで100メートル、平均80メートルの断崖が東西約7キロに渡り続く。谷底の五ケ瀬川でボートに乗ったり、遊歩道を歩いたりして絶景を眺められる。高さ17メートルから流れる滝や50~100メートルの柱状の絶壁なども迫力満点。「家族全員で楽しめそう」(豪州、30代女性)

近くに天岩戸神話を伝える神社などもあり「日本の歴史を振り返るいいチャンス」(米国、60代男性)。

(1)延岡駅からバスで約90分(2)電話0982・73・1213(高千穂町観光協会)

7位 伏見稲荷大社 71ポイント
稲荷山に登るのも楽しい(京都市)

全国に3万社あるといわれる「お稲荷さん」の総本宮。奥社参道にトンネルのように連なる朱色の千本鳥居の写真が交流サイト(SNS)を通じて拡散し、多くの外国人が訪れるようになった。「たくさんの鳥居に囲まれ、世界平和を祈りたい」(豪州、50代女性)

中腹にある四ツ辻からは京都市内が見渡せる。「稲荷山に登るのも楽しい」(米国、20代男性)、「混雑する前の早朝に訪れたい」(米国、60代男性)。

(1)JR奈良線稲荷駅下車すぐ(2)http://inari.jp/

7位 永観堂禅林寺 71ポイント
「みかえり阿弥陀」など見どころ多く(京都市)

京都・東山の麓に立つ古刹。地形の高低差を生かして多くのお堂が立ち、階段状の渡り廊下「臥龍廊」(がりゅうろう)で結ばれている。首を左に向けて振り向く本尊の「みかえり阿弥陀」や多宝塔、放生池など外国人好みの見どころが多い。「京都の寺院の中で最も楽しめる場所の一つ」(米国、60代男性)

境内に約3000本のモミジがあり、紅葉の名所。「紅葉の時期のライトアップが素晴らしい」(米国、40代男性)。

(1)京都駅からバスで約30分(2)http://www.eikando.or.jp/

9位 弥山(みせん) 70ポイント
瀬戸内海や四国連山望める(広島県廿日市市)

厳島神社の背後にそびえる山。空海が開基したとされ、島全体が信仰の対象となってきた。標高535メートルの山頂から瀬戸内海や広島市、遠く四国連山が望める。

3つの登山ルートのほかロープウエーでも登れる。あちこちに変わった形の奇岩があり「登山も山頂からの景色も楽しめる」(米国、60代男性)。「途中に寺社建物があり、ハイキングも楽しい」(シャウエッカーさん)。

(1)宮島ロープウエー獅子岩駅下車、山頂まで徒歩約30分

(2)http://www.miyajima.or.jp/(宮島観光協会)

10位 地獄谷野猿公苑 54ポイント
温泉につかる「スノーモンキー」(長野県山ノ内町)

長野県北部、標高850メートルの地獄谷にある野生のニホンザルの保護・観察施設。冬場は寒さをしのぐため温泉に入る姿が見られ、海外でスノーモンキーとして紹介されている。「サルの入浴シーンは有名。ぜひ見てみたい」(豪州、60代女性)

「餌付けされ人を襲わない。目をつぶって温泉に入る様子は人間のようで、ずっと見ていても飽きない」(シャウエッカーさん)。

(1)JR長野駅から急行バスで約40分、上林温泉バス停下車徒歩35分

(2)http://jigokudani-yaenkoen.co.jp/

11位 書写山 53ポイント(兵庫県姫路市)

姫路市北部、標高371メートルの山。姫路城に近く、山頂の円教寺は映画「ラストサムライ」のロケ地。

12位 しまなみ海道 52ポイント(瀬戸内海)

本州と四国を結ぶ全長70キロメートルの道。米CNNの「世界で最も素晴らしい7大サイクリングコース」に選出。

12位 黒部峡谷 52ポイント(富山県黒部市)

日本で最も深い峡谷。トロッコ電車に乗り、スリリングな景観を楽しめる。沿線に温泉も多い。

14位 備中松山城 51ポイント(岡山県高梁市)

現存する12天守の中で唯一の山城。高さ10メートル超の巨大な岩壁がそびえ、難攻不落の面影を残す。

15位 北斎館 50ポイント(長野県小布施町)

「富嶽三十六景」などで世界的に有名な浮世絵師、葛飾北斎の作品を展示する。

◇  ◇  ◇

観光地の質 さらに改善を

ジャパンガイド ステファン・シャウエッカー社長

日本の観光情報は写真や文章、口コミなどで世界中に出回っており、1位の高野山に関する英文情報は多い。外国人でも簡単に宿坊を予約でき、仏教体験を味わえる。大阪から電車でわずか2時間と遠すぎず近すぎない場所に巨木に囲まれた古い墓地が広がる。そうしたバランスの良さが受けている理由だろう。

外国人に人気の日本の観光地は「スピリチュアル」「自然」「田舎」のいずれかの要素を備えている。サムライ、五重塔、鳥居、寺院、日本庭園など日本のイメージに通じる場所だ。

訪日客は年々増えているが、観光地の質をさらに改善することが大事だ。例えば言葉。果物狩りに参加したい外国人は多いし、魅力的な果樹園もあるが、外国語で受け入れているところは少ない。

サービスの一つとして、予約システムを導入するのはどうだろう。長時間並ぶのは誰でも嫌だし、人が多過ぎるとせっかくの魅力が台無しになる。富士山など保護のため人数を制限した方がいい場所もある。

きれいな写真を撮れる観光地は訪問客の満足度が高く、宣伝にもなる。ただ、目障りな障害物が目に付く。例えば駐車禁止を示す道ばたの赤いコーンや空中に延びる電線。その間を切り取って美しい写真を撮っても、それを見て現地を訪れた人がコーンや電線を見たら幻滅するだろう。温泉街や寺町でも派手な看板はやめて、昔ながらの雰囲気を保存してほしい。

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は回答者の延べ人数。観光地名(所在地)。(1)アクセス(2)問い合わせ先。写真は1、2、4位瀬口蔵弘撮影。9位新谷孝一氏、そのほかは各観光施設または地元観光協会の提供。

調査の方法 専門家の助言を基に、日本を訪れたことのある外国人が次に行きたいと考えそうな観光地を全国から29カ所選出。12月下旬にインターネット調査会社のマクロミルを通じ、訪日経験のある20代から60代の米国人とオーストラリア人各144人を対象に「行ってみたい場所」を5カ所ずつ選んでもらって集計した。これまで訪問したことがある場所の印象や、日本の観光地で残念な点なども聞いた。

候補地選びなどで、日本の旅行・生活関連英文情報サイトのジャパンガイド(群馬県藤岡市)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(東京・渋谷)、ロケーションデータ解析のナイトレイ(東京・渋谷)、インバウンド・コンサルティング会社のやまとごころ(東京・新宿)、日本政府観光局の協力を得た。

[NIKKEIプラス1 2018年1月27日付]

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