リーダーが語る 仕事の装い

ファッションは親友、田中康夫くんに学んだ 学習院大学 学長 井上寿一氏(上)

2018/1/28

「ネクタイも一つのスーツに1~2本です。プレーンなものがほとんどなので周囲から見ればそんなに違わないでしょうが、最初の組み合わせを変えると自分の中でどうもしっくりこない(笑)。それでも春夏秋冬、それぞれ1、2回はバタクに通いますね」

――ファッションについて影響を受けた人物はいますか。

学習院大の井上学長は「田中康夫君には良かれあしかれ影響を受けました」と話す

「以前、こんなエッセーを読みました。ある高名な女性ピアニストが『自分は海外公演が多いので、日本の男性の知人たちのために高級ブランドのネクタイを購入してプレゼントしている』と話していたというのです」

「それを聞いていたエッセーの筆者は内心こうつぶやきます。『このピアニストは男というものを全く分かっていないな。ネクタイはスーツ、シャツとどう合わせるかで決めるものだ。いくら有名ブランドのネクタイをもらっても、自分が持っているスーツやシャツと合わなければありがた迷惑だ』と。これには納得しましたね(笑)」

「このエッセーの著者が一橋大学時代からの親友である田中康夫君だったと記憶しています」

■「バブル期青年」はトラッドをめざす

――学生時代の1980年にデビュー作『なんとなく、クリスタル』で文芸賞を受賞、長野県知事や参院、衆院議員を歴任した田中氏ですね。

「田中君には良かれあしかれ影響を受けました(笑)。彼は大学のキャンパスをサファリルックなどで歩いていました。まねしたくても、とてもまねすることができないような服装もありましたね」

「その田中君も現在はフォーマルな目立たないスーツを着ています。イタリアのブランド物だと思いますが。我々『バブル期青年』がめざすファッションの到達点はトラッドなのかもしれません」

(聞き手は松本治人)

後編「『真の着こなし』は殿下に学べ 『長く大切に』が基本」もあわせてお読みください。

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