Men's Fashion

ファッションは親友、田中康夫くんに学んだ

リーダーが語る 仕事の装い

学習院大学 学長 井上寿一氏(上)

2018.1.28

1877(明治10)年創立の学習院は日本で最も長い歴史を持つ教育機関のひとつ。その起源は江戸後期の1847年に京都御所に設けられた学問所まで遡るという。歴代天皇や皇族方も通われる「やんごとなき」大学のトップを務める井上寿一学長は、日本近代外交史の第一人者であると同時に、ファッションに一家言を持つ「洒落者(しゃれもの)」の顔を持つ。スーツを買い求めに行くと1、2時間は悩むという井上学長に装いへのこだわりを聞いた。

後編「『真の着こなし』は殿下に学べ 『長く大切に』が基本」もあわせてお読みください。




――今日は濃いネイビーでスーツ、シャツ、ネクタイの色を統一していますね。スーツを選ぶ基準は何ですか。

「できるだけ目立たないことを心掛けています。過度に着飾るということが嘘、偽りにつながるような気がするからです。本当の自分を見せることで信用や信頼を獲得したいと考えています」

――それは学習院の伝統ですか。

「大学教員はファッションについては、かなり自由が許されている職業ではないでしょうか(笑)。学習院にお堅いイメージをお持ちかもしれませんが、弊学のキャンパスを回って見てもらえれば分かるように、カチッとした人もいますし、カジュアルな服装の教授もいます。それぞれ思い思いのスタイルです。私自身はというと、こうした立場になってからは『わきまえないといけない』と考えが変わりましたね」

■「目立たない」を考えるとネイビーかダークグレー

「スーツの色合いもネイビーとダークグレーを中心にしています。目立たないということを考えるとこの2色になりますね。同じネイビーでも色々な種類がありますから、あまり青っぽくないもの、グレーも明るすぎないものを選んでいます。光沢にも気を付けますね。あまりマット(ツヤがない)だとかえって悪目立ちしますが」