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麺の代わりに豆腐や肉 「麺なしラーメン」増殖中

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日経トレンディネット

ラーメンなのに麺がない――。ラーメンの定義を根底から覆す、「麺なし」のラーメンを提供する店がここ最近増えている。ロカボ(低糖質)食への対応、顧客層拡大など目的はさまざまだが、カップ麺で日清食品が追随するなど人気は広がりを見せている。本当に麺抜きでもラーメンを食べたという満足感が得られるのか。実際に店舗に行って味わい、人気の理由を探ってみた。

スープを味わうなら麺より豆腐!

「麺なし」ラーメン人気の火付け役とされるのが、ラーメンチェーン「一風堂」だ。一風堂は1985年に福岡市で「博多 一風堂」として創業。1995年に東京・広尾に東京1号店をオープンし、現在は全国で130店舗以上を展開している。

看板ラーメンである「白丸元味」の麺を抜き、豆腐を入れた「白丸とんこつ豆腐」の提供を2016年3月1日から3店舗で開始したところ、すぐに人気商品となり、提供店を9店舗に拡大。さらに17年12月12日から18年3月31日までの期間限定で、全国45店舗で提供している。

運ばれてきた白丸とんこつ豆腐の中身は白濁したスープに隠れていて、普通のラーメンと違いはそれほど分からない。豆腐はレンゲですくおうとするとホロホロとくずれる。ある程度の硬さがあったほうが、食べ応えがあるのではないかと感じながら口に入れると、軟らかい豆腐とスープの一体感で、まるで「ラーメンスープそのものを食べている」ような感覚。

豆腐を食べきったところで、ちょうどスープもなくなる。普通のラーメンよりも「スープを味わい切った」という満足度が高かった。難点は、「すする」「かむ」という食感の変化がないせいか、途中で少し飽きてくることだ。だがそれも、メニューの食べ方ガイドに従って、卓上に置かれている無料のトッピングを加えることで解消した。「スープを純粋に味わうなら、麺より豆腐!」という新発見をした思いだった。

もはや新しい肉料理

つけめんの有名店「六厘舎」の系列店で全国に29店舗を展開する「舎鈴」では、16年8月から麺を肉に変更できる「つけ肉」を提供。当初は八重洲店1店舗のみだったが、現在は7店舗で提供している(18年1月現在)。

ご飯を豆腐に替えたすき家の「牛丼ライト」、麺をブロッコリーに替えられるはなまるうどん(提供終了)など、低糖質の食品への代替メニューを提供する店は増えている。だが、「麺の代わりに肉」というチョイスができるのは、おそらく舎鈴のみだろう。発売直後は1日あたり10~20食ほどしか出ていなかったが、ネット上で話題となったのをきっかけに、16年9月上旬ごろからは1日に100食ほど出るようになった。「現在も八重洲店では毎日50食ほどの注文がある」(舎鈴を運営する松富士食品 営業企画部の平澤歩氏)というから一過性のブームではなく、固定ファンがしっかりついていることがうかがえる。

麺の代替ということでしゃぶしゃぶのようなヒラヒラの薄切り肉を想像していたが、かなり分厚い肉が入っている。ボリュームも多く、「全部食べきれるだろうか」という不安を感じたほどだった。使用しているのはスペイン産の豚肩ロース肉200g。バラ肉など脂の多い部位だと魚介類の香りが強いスープとの相性が悪いためだという。脂身の少ないしっかりした肉質だが硬くはなく、肉汁も多いうまみの強い肉だ。同じスープなのに、麺入りで食べているときと違う味わいに感じるのは、肉のうまみとの相乗効果だろうか。ボリュームのあるしゃぶしゃぶのような、新しい肉料理を食べている感覚。そのせいか、ご飯が欲しくて仕方がなかった。聞けば、つけ肉にご飯を追加注文する人もかなりいるとのこと。もしかしたらこの店のスープは麺よりもご飯に合う味なのかもしれない。

麺なしなら「すしのシメにラーメン」もあり

回転ずしチェーン「無添くら寿司」のサイドメニューでありながら、12年の発売から3500万食販売しているという「7種の魚介らーめん」。糖質オフシリーズ商品の1つとして17年8月31日から「7種の魚介らーめん 麺抜き」(全4種)を提供している。麺の代わりにニンジン、チンゲン菜、モヤシ、キャベツの4種の蒸し野菜を使用。「らーめん麺抜き 醤油」「らーめん麺抜き とんこつ醤油」「らーめん麺抜き 濃厚味噌」「らーめん麺抜き 胡麻香る担々麺」の4種類を販売している。

人気トップだという「らーめん麺抜き 胡麻香る担々麺」を食べた。キャベツなどはかなりおおざっぱなザク切りだが、スープは予想以上に辛味が強く、本格的な味わい。しかし、もっと満足度が高かったのは、その後に食べた「らーめん麺抜き 醤油」だ。チャーシュー2枚と卵もトッピングされていて、見た目は普通のラーメンとほとんど変わらない。その上、スープは「これぞ醤油ラーメンのど真ん中」という味。すしをおなかいっぱい食べたあとなのにスープを最後まで飲みきってしまった。麺なしでも、「ラーメンを食べた」という満足感をこれほどまでに感じられることに驚いた。「すしのシメにラーメン」という夢も麺なしなら可能だし、「すしも食べたいがラーメンも捨てがたい」というときにも便利だろう。

客からの反応も良く、シャリの代わりに野菜を使った「シャリ野菜」などの糖質オフシリーズと合計し、発売後10日間で約100万食を販売したという。「『糖質制限しているため家族と一緒に回転ずしを楽しむことができなかったが、糖質オフシリーズがあるので家族そろって食事を楽しむことができた』という利用者の声もある。好評なので第2弾の提供を検討している」(くら寿司を運営する、くらコーポレーション広報宣伝部の本井啓貴氏)という。

今回、さまざまな麺なしラーメンを食べて、「麺がないラーメンはただのスープ」というイメージは一転。「麺なしだからこそ分かる味わいもある」ことを発見した。これまでのラーメンとは別の新しいメニューとして成立するのではないだろうか。

それを裏付けるように、麺なしラーメンブームは、家庭にも拡大。日清食品が麺の代わりにフリーズドライの豆腐を使用した「日清麺なしラーメン」シリーズ2品を17年8月21日に発売した。

日清麺なしラーメンシリーズ開発の背景にあるのは、やはり糖質をオフしたいというニーズの高まりだという。「日清食品は麺が本業だが、ロカボの流れは無視できない。一過性のブームというより、ひとつの食の在り方として根付いている」と日清食品マーケティング部 第8グループの吉田和広ブランドマネージャーは話す。ロカボの流れは避けられないがラーメン離れは阻止したい。そこで同社が着目したのは、カップ麺の具材で培ってきた「お湯をかけて戻す」フリーズドライの技術だった。

なかでも独自に開発した、お湯をかけて30秒で戻る豆腐には定評があり、マッチ箱大の豆腐を崩しながら食べる乾燥おぼろ豆腐入りのカップスープを販売した実績もあった。また、社内では「即席麺のパイオニアとして、『麺を入れない』というチャレンジも最初にやったほうがいい」という意見も挙がっていたという。

スープが好きなファンに響いた

開発当初は同社のブランド「麺の達人」「スープの達人」「つけ麺の達人」に続く「豆腐の達人」という商品名を考えていた。だが、「『麺なしラーメン』とはっきり銘打ったほうが、即席麺の日清食品があえて麺のないラーメンスープを作ったという特徴が伝わりやすいし、そこに面白さを感じてトライする人が多いのではと考えた」(吉田ブランドマネージャー)。

カップスープはカップ麺に比べると市場規模が小さいので、新商品を発売しても反響はさほど大きくないという。だが、同商品には販売の継続を求める声や購入先についての問い合わせが多く、18年には新提案を加えたリニューアルを予定している。「ラーメンの味わい方は人それぞれ違うが、どちらかというとスープが好きな人で、さらに糖質制限をしているという人に響いたのではないか」と吉田ブランドマネージャーは分析する。

スープ好きの人に受けたという見解には、舎鈴を運営する松富士食品の平澤氏も同意する。舎鈴ではスープのおいしさをもっと知ってもらいたいと考えたことも、つけ肉を考案した理由の1つとのこと。「麺なしラーメンが増えている背景には、ラーメンの具とスープが進化し、麺なしでもおいしく食べられるようになってきていることもあるのではないか」(平澤氏)。

食べる側にとっては喫食回数が増えても栄養的な偏りが少なくなり、ラーメン業界にとってはユーザー減少の歯止めとなる可能性がある「麺なしラーメン」。今後、さらに拡大していきそうだ。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2017年1月12日付の記事を再構成]

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