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甘い豚味噌、ご飯のおかず 噴火が生んだ鹿児島の味

桜島大根は世界一大きな大根としてギネスブックにものっている=PIXTA

火山活動が活発な土地柄、鹿児島県の土壌の約5割は火山の噴出物が堆積してできたシラス台地からなる。といってもこれは桜島の灰が堆積したものではなく、もっと以前の火山活動によってできたもの。約2万9000年前に、現在の錦江湾北部で巨大噴火が起こった際に形成されたものだとされる。シラス台地は火山灰や軽石などでできているため水分を保ちにくく、水をためることが必要な稲作には不向きだった。そのためシラス台地では畑作が農業の中心となった。

鹿児島の自然を語る上でもうひとつはずせないものが台風だ。

九州の南端に位置する鹿児島は、台風銀座とも呼ばれる土地で、海上を北上しながら勢力が強くなった状態で台風が直撃することが多い。ひとたび台風がやってくると、地上で育てる作物は風雨にやられて全滅してしまう。そこで地中で育てる作物がより多く作られるようになった。

カライモ餅 きなこをまぶして食べる

鹿児島にはカライモを使ったお菓子も多い。お土産品売り場をのぞけばそのバリエーションに感心するくらいのイモ尽くし状態なのだが、県外の方にぜひとも味わってみてほしいのが「カライモ餅」または「カライモねったぼ」と呼ばれる芋餅だ。

私が小さい頃は正月や節句など親戚が集まる機会があるたびに、祖母がカライモ餅をこしらえてくれたものだった。とはいえハレの日だけのものというわけではなく、普段のオヤツにも登場した。ふかしたカライモをつぶし、つきたての餅に砂糖を混ぜてつき込み、丸めてからきなこ砂糖をまぶして食べる。あたたかいうちに食べれば、ふわふわとやわらかく、ほんのり甘い。素朴でほっとする味だった。

がね 細く切ったカライモに衣をつけて揚げたもの

細く切ったカライモに衣をつけて揚げた「がね」も鹿児島ならではの食べ物だろう。おやつにも酒のさかなにもなるからか親戚が集まるときは大皿に盛られたものが何皿もテーブルにのっていた。子どもも大人もガネをほおばりながら、「形がカニに似ているからがねと呼ぶんだよ」などと話をしたのもいい思い出だ。

「西郷どん」の西郷隆盛も豚肉を使った料理をこよなく愛したそうだ。今のように白いお米をもりもり食べることはかなわない時代であったはずだが、どんな豚肉料理を食べていたのか想像するのも楽しい。ドラマで鹿児島の歴史に親しむ今期は、皆さんもぜひ鹿児島ならではのカライモや豚肉の味わい方をお試しあれ。

(日本の旅ライター 吉野りり花)

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