検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

2万円超の万年筆 近未来とクラシカル、造形にうなる

特集 プレゼントにも最適 高級筆記具(下)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経トレンディネット

新生活シーズンに手に入れたい高級筆記具を紹介する特集、前編「ボールペン5選 高い加工技術、独自デザインの逸品」に続き、後編で紹介するのは高級万年筆。デザインだけでなく機能面にもきちんと配慮された2万円を超える製品を選んだ。高級万年筆はそれほど量産しないので、市場からなくなることもある。欲しいモノを見つけたら、早めに入手することをお勧めする。

万年筆ならではの書き味「カスタム845」

パイロットの「カスタム845」は、エボナイト削りだしの軸に漆をコーティング。しっとりと指になじみ滑りにくい、「書く道具」に特化したような万年筆だ。エボナイトはゴムのような素材で、滑りにくくホールド性能が高い。また、長く使うほど指になじむのだ。しかし、むき出しだとあまりキレイではないし、ややゴムの臭いもするので、そこを日本古来のコーティング素材である漆で仕上げている。このエボナイトと漆の組み合わせは万年筆の軸の素材として優秀で、世界中で高級万年筆に使われている。

18金の大きなペン先は先端に向けて大きくえぐられたような曲線を描いていて、ペン先の周りの見通しがとても良い。直線的なデザインはモダン、かつ指になじんで、それもまた「書く道具」であることを主張しているようだ。

大きい万年筆に大きなペン先の組み合わせは、実は繊細な文字が書きやすい。インクフローが良く、日本語を書くために進化したパイロットのペン先はほとんど筆圧がいらないので、ペン先を紙に押し付ける必要がない。極端に筆圧が強い人には向かないかもしれないが、この万年筆で筆圧をかけずに書くことに慣れれば、書くことに力がいらないということが分かる。そういう意味では、カスタム845は、万年筆の「書きやすさ」とはどういうことかを教えてくれるペンともいえるだろう。

初心者でも書きやすい「富士旬景」シリーズ

プラチナ万年筆が開発した「#3776 センチュリー」のペン先にはいつもながら感心する。この14金のペン先は、細字、中字、太字のどれを選んでもラクに書けるのだ。ゆっくり書けば少し濃い色で鮮やかに、速く書いても線が途切れない。さらにペンを立て気味で書いても、寝かせて書いても、同じようにスムーズにペン先が動き、筆圧を多少強めにかけても、弱い筆圧で書いても安定した線が書ける。

これがどういうことかというと、通常の万年筆では慣れていないと文字がかすれたり、スムーズにインクが出ないことがあるが、#3776 センチュリーであれば、万年筆に慣れていない人、万年筆を初めて使う人でも、いきなり仕事の現場で使っても大丈夫ということ。

しかも、#3776 センチュリーは完全気密を実現するスリップシール機構が搭載されていて、キャップをしていれば2年間はペン先が乾かず、キャップを外せばすぐに書けるから、うっかり放置して書けなくなったというトラブルも回避できるのだ。プラチナ万年筆では、その優秀な機能を持つ#3776 センチュリーでさまざまに凝った商品を発表している。

「#3776 センチュリー 春暁」は、富士五湖シリーズを完結させたプラチナ万年筆の新しい富士山モチーフシリーズ第1弾。春の暁、つまり朝焼けの富士山をイメージした万年筆だ。

濃い赤の透明軸は、空と湖に広がる朝焼けの紅と、そこに黒々とそびえる富士山のシルエットを表現している。筆記中、軸を握っていると、軸の赤が鈍い黒っぽさを帯びて夜明け前の風景を示し、手を放すと夜明けの光景が現れるという風情を感じられる軸なのだ。

機能のすごさ際立つ「未来の万年筆」

1966年にラミーの最初のプロダクトとして発表されたのが、「ラミー2000」。「2000年の標準になるような万年筆を」というコンセプトで作られた未来の万年筆だ。その2000年は過ぎたが、2017年末の現在から見ても、この万年筆が全く古くなっていないどころか、いまだに未来の万年筆としてのたたずまいを持ち続けていることがすごい。

筆記具の形としてスキのないデザインで、ボールペンのようにも見える小さなペン先が特徴。その見た目を裏切るスムーズな書き心地に驚く。さらに軸に施された、手作業でなければ付けられない繊細なヘアライン加工や、ほとんど継ぎ目の見えない軸に仕込まれたインク吸入機構の完成度の高さなど、どこを取ってもカッコいいのだ。

使うたびに思うのだが、いきなり使っても、まるで長年使っていたかのように手になじみ、安定した文字を書け、驚くほど安定してインクが出るのがすごい。発表当時はまだボールペンもインクの出が安定しない時代だった。そこに、ボールペン並みの手軽さで使え、安定して書け、しかも筆圧はほとんどいらないという万年筆の特質は損なわない筆記具を投入した技術力には感心する。また、ペン先の裏側にインクを吸入する穴が開いている構造も驚きだ。このおかげで、インクを入れたあとにペン先をサッと拭くだけで使い始められるのだ。この手軽さも、インク吸入機構内蔵型の万年筆では珍しい。どこまでも未来的なペンなのだ。

デザイン性の高い「伯爵コレクション」

ファーバーカステルの新しい伯爵コレクションはラインアップの幅が広がり、好みや予算に合わせて選べるようになった。おかげで、この「タミシオ」のような、比較的低価格ながら、ファーバーカステルならではの万年筆が入手できるようになった。

伯爵コレクションの最初の製品「パーフェクトペンシル」のデザインを踏襲した直線的な軸は、なぜ他のメーカーがまねしないのか不思議になるほど、とても持ちやすく書きやすい。ペン先ギリギリまで真っすぐで段差のない軸は、握ったときのストレスが少なく、さまざまな握り癖にも対応する。

軸は真ちゅう製。そこにラッカーを塗り重ね、多くの工程をへて生み出された縦のラインが作る独特の握り心地は、ツルリとした軸が多い万年筆にあってかなり珍しい。金属軸とは思えない軽さとしっとりした感触、するっと手の中に収まる感覚は懐かしささえ感じる。こういう独自性はファーバーカステルの魅力の一つだ。ペン先はスチール製だがタッチは柔らかく、スルスルと書けるし、細字でもカリカリした書き味にならないのは、ペン先の加工技術のおかげだろう。

キャップはスナップタイプで簡単に着脱できる。スプリング式のクリップといい、程よい長さといい、秀逸なデザインといい、普段使いに持ち歩くのに最適だし、軸のカラーバリエーションが豊富なのでギフトにも向いている。万年筆のイメージを変える万年筆だと思う。

いつかは持ちたい「セルロイド万年筆」

2016年に廃業した老舗万年筆メーカー、オマスの伝統と技術を惜しんで設立された「アルマンド・シモーニ・クラブ」が、キングダムノートとのコラボレーションで発売しているのが「オジバ アルコII」だ。オマスの材料と資材を使って作られた万年筆は、最近の万年筆にはないクラシカルな味わいを残しつつ、筆記具としての使いやすさも盛り込んだ面白い万年筆に仕上がっている。何といっても、その独特な模様を描くセルロイドの軸がすごい。

セルロイド軸というだけでも最近では希少なのだけれど、こういう螺鈿(らでん)を思わせるような柄は珍しく、さすがはオマスの遺産といったところか。細長いシルエットはモダンで、軸の透明感のあるブラウンとピンクゴールドのパーツの組み合わせも見事。最近筆記具に使われることが増えたピンクゴールドだが、この軸と合わせることで金属パーツが浮くことなく軸の色と調和していて、ようやく正しいピンクゴールドの使い方に出合った気がする。

やや細長い14金のペン先は硬めの仕上げだが紙へのタッチは柔らかく、カッチリした文字を快適に書ける。ペン先が紙に触れる感触が直接指に伝わってくるような書き心地で、「万年筆で書いている」と実感できるのが面白い。

ペンをかなり寝かせて書くと、その気持ち良さはより伝わってくる。軸からペン先に向けて段差が少なく、キャップを尻軸に付けなくても、十分な長さがあるのも書きやすさにつながっている。そしてセルロイド軸ならではの軽さと、指に優しい触り心地も魅力的だ。

インクはコンバーター/カートリッジの両用式なのがオールドファンには不満かもしれないが、現役の筆記具としても良くできているので、そこは新しいスタイルになっていても悪くはないだろう。

特集 プレゼントにも最適 手に入れたい高級筆記具
上 高級ボールペン5選 個性も技術も飛び抜けた精鋭たち
下 2万円超の万年筆 近未来とクラシカル、造形にうなる

(文・写真 納富廉邦)

[日経トレンディネット 2018年1月4日付の記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_