夫と話す女性の悪口を言ってしまいます
脚本家、大石静さん
主人が大好きで、市民大学などで「そこいらのおばさん」と話をしていると気に入らず、ついおばさんたちの悪口を主人に向かって言ってしまいます。60代後半ですが、2人ともまだ現役で働いています。私は群れるのが嫌で、いつも一人で動いています。悪口を言わずにすませたいのですが、どうしたらいいのでしょうか。(埼玉県・60代・女性)
◇
ご主人は魅力的な方なんですね。というか女性を切なくさせる色気(フェロモン)を生まれ持っておられるのでしょう。
風貌の美しさとも異なる"色気"は、努力して出せるものではなく、生まれ持ったものだと私は思います。色気のある男の子は、幼稚園の頃から女の子をひきつけてやみませんし、年齢を重ねてもその色気は消えません。色気とは天性のものであり、さらに若さとともに消滅しないところがすごいのです。
歳月を経ても、あなたを切なくさせてくれる男性を夫にできたことは、あなたの大きなしあわせではないでしょうか。
稼ぎがどうかは知りませんし、お人柄がどうかもわかりませんが、稼ぎや人柄以上に色気は尊いものだと私は思います。うらやましい限りです。
市民大学でも、女性陣の心をひきつけてしまうのは、どうにもなりませんね。
ご主人が自分の色気を武器にして、次々と女性を口説くというなら問題ですが、ただ寄ってくる女性とお話するだけなら、「うちの夫は魅力的なんだから仕方ないわ」と、おおらかに構えていらしてもいいような気がします。
たとえやきもちでヒリヒリとしたとしても、それはしあわせと抱き合わせのようなもの。人生とはそういうものだということは、60年以上生きてきたあなたなら、おわかりのはずです。
ところでご主人は、あなたのやきもち、つまり「そこいらのおばさん」に対する悪口を、どう思っておいでなのでしょう?
もし嫌な顔をなさるなら、「だってあなたがステキだから心配なんですもの」と甘えておけば、よろしいのではないですか。
うるさい顔をなさったとしても、ステキだと言われて悪い気のする男性は絶対にいません。男性は褒められることが何より好きなんですから。
周囲の注目を集めるご主人がいらして、お仕事も現役で、何も問題はないと思いますが……。
私にも40年連れ添った夫がいますが、好きかと聞かれれば、「わからない」としか答えられません。そんな私に比べて、あなたは100倍しあわせです。
[NIKKEIプラス1 2018年1月20日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。