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静けさ味わう雪の寺社10選

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NIKKEI STYLE

雪の中にたたずむ、伝統を重ねた木造建築の壮麗さ。
正月が過ぎれば参拝者は減り、水墨画のような静寂を味わえる。
冬の旅路へいざなう、雪景色が美しい神社仏閣を選んでみた。

しんしんと空気張り詰め

参道に並ぶ杉木立が白く染まり、五重塔や巨大な本堂が綿帽子をかぶる――。雪に包まれた寺や神社には、いつにも増して荘厳な空気と閑静な時間が流れる。1月下旬以降は初詣に訪れる人も途絶え、冬季ならではのフォトジェニックな白い絶景が心を洗う。「雪景色の日本」を見られる観光スポットとして、近年は外国人客も増えている。

ベスト3には東北、北陸、近畿を代表する寺社が並んだ。1位の出羽三山神社は雪深い山の中に国宝の五重塔など伝統建造物が点々とたたずむ山岳信仰の霊場。8人の選者がベスト10に入れた。2位の永平寺は僧侶の厳しい修行で名高い曹洞宗の大本山。老杉の中に立ち並ぶ70余りの殿堂楼閣は、雪景色になるとその威厳と風格が一層際立つ。永平寺と僅差の3位には世界遺産の霊峰、高野山金剛峯寺。山全体を雪が包み込むと、厳かな空気が張り詰める。

総合ではランク外となったが、京都市の南禅寺と石川県の白山比●(くちへんに羊)(しらやまひめ)神社を1位とした選者もいた。

1位 出羽三山神社 580ポイント
杉木立進めば墨絵の世界(山形県鶴岡市)

入り口の随神門から雪の参道を歩くこと10分。とりわけ巨大な「爺(じじ)杉」(樹齢1000年)の先に、突然姿を現すのが国宝、羽黒山五重塔だ。高さ約30メートル。平将門が創建し、現在の塔は約600年前の再建と伝えられる。「雪の降り積もった杉木立に立つ優美な姿が美しい」(加藤健司さん)。「雪に煙る塔は墨絵のよう」(山田祐子さん)。出羽三山神社の森林技師、鈴木栄作さんは「杉材を多く使った塔は周囲の杉木立とも調和し、冬は雪とのコントラストが一層際立つ」と話す。

山形県の中央に位置する月山、羽黒山、湯殿山を出羽三山といい、それぞれに神社がある。月山は過去、羽黒山は現在、湯殿山は未来を表し、2016年にはこの三山信仰が「生まれかわりの旅」として日本遺産に認定された。

雪深い冬は羽黒山だけ参拝できる。「修験道の厳しさが雪の季節だからこそわかる」(岩佐十良さん)。羽黒山頂に鎮座する分厚いかやぶき屋根が特徴の三神合祭殿は、雪煙で屋根がかすむほど。「雪が降ると参拝者も少なくなり、さらに神秘的な雰囲気が漂う」(井上健太郎さん)。

(1)JR鶴岡駅から約40分(2)http://www.dewasanzan.jp/

2位 永平寺 490ポイント
荘厳さ増す禅寺 背筋伸びる(福井県永平寺町)

道元が開いた禅寺。「雲水さん」と呼ばれる約200人の僧が現在も厳しい修行に励む。その厳格な印象のせいか、雪との相性の良さを指摘する声が多い。「俗っぽさを寄せ付けない凜(りん)としたたたずまいに背筋が伸びる。境内が雪に包まれると音が消え、荘厳な雰囲気がさらに増す」(富本一幸さん)。「木立の深緑と、青や灰色が混ざった雪の色のコントラストが美しくも落ち着いた景色を醸し出す」(北村武史さん)

唐門や山門に続く杉の道も雪化粧をすると趣を増す。外観だけでなく、傘松閣の大広間を飾る天井絵など見どころも多い。「北陸の厳しい風土に培われてきた禅寺の静寂さを最も感じさせてくれるのは、しんしんと寒さが伝わる雪の日」(石橋睦美さん)。冬にぜひ訪ねたい。

(1)えちぜん鉄道「永平寺口駅」からバスで約13分(2)https://daihonzan-eiheiji.com/

3位 高野山金剛峯寺 480ポイント
石組み庭園 さらに美しく(和歌山県高野町)

真言宗の宗祖である空海(弘法大師)が平安時代に開いた。高野山は100以上の寺院が密集する宗教都市。周囲を山に囲まれた標高約800メートルの平たんな土地に位置し、世界遺産でもある。

「ひと山すべてが境内であり、冬は杉の巨木に覆われた参道から雪景色が始まる」(石田立雄さん)。「20万基を超えるコケむした供養塔が並ぶ雪の杉木立を進むと、まるでタイムトリップしたかのような感覚に襲われる」(林直子さん)

山内には昭和の名作庭家、重森三玲氏の作品が多い。「雪の日、重森氏の石組み庭園はその美しさをさらに増す」(水野克比古さん)。宿泊施設も多く、「宿坊に泊まって、朝一番で新雪の上を歩くのも風流でいい」(山田さん)。

(1)南海高野山ケーブル「高野山」下車(2)https://www.koyasan.or.jp/

4位 室生寺(むろうじ) 470ポイント
まさに日本の原風景(奈良県宇陀市)

高野山が女人禁制だったのに対し、室生寺は女性の参詣が許されていたため「女人高野」の別名がある。「雪の室生の里はまさに日本の原風景」(林さん)との評価も。

国宝の五重塔は1200年以上前の建立で法隆寺塔に次いで古く、国宝・重要文化財指定の屋外木造塔としては日本最小の約16メートル。「木々に囲まれた谷あいにお堂が点在し、雪が降る日は静寂感が増す」(石橋さん)。金堂、本堂も国宝だ。「雪が降る日が少ないので、天気を調べて行った方がいい」(石田さん)。

(1)近鉄大阪線「室生口大野駅」からバスで約14分(2)http://www.murouji.or.jp/

5位 日光東照宮 370ポイント
陽光を受け極彩色の輝き(栃木県日光市)

栃木県を代表する観光地。見飽きないところから「日暮の門」とも呼ばれる陽明門は、17年に修理が終わったばかり。「雪が降り積もると陽光を受けて金箔、極彩色の輝きで満ちあふれる」(加藤さん)

華麗な社殿に純白の雪が降り積もる様は、水墨画のような他の寺社とは趣が違う。「白と黒の世界にきらびやかに輝く金色が加わり、晴天の日の華やかな雪景色が美しい」(北村さん)。江戸幕府を開いた「徳川家康をまつるにふさわしい荘厳さに魅了される」(石橋さん)。

(1)JR、東武鉄道「日光駅」からバスで約10分(2)http://www.toshogu.jp/

6位 貴船神社 360ポイント
灯籠の明かり 幻想的に(京都市)

全国に500ある貴船神社の総本宮。水の神をまつり「古くから『氣生根』(きふね)と称され、万物の『氣』が生じる根源の地」(林さん)とされる。本宮表参道の石段と朱塗りの春日灯籠が名高い。

「積雪の夜に限りライトアップされ、幻想的な光景が見られる」(水野さん)。年間を通じて人気が高い観光スポットだが、「お薦めは灯籠に明かりが入る冬の夕刻。一層幻想的だ」(石田さん)。灯籠の朱色が雪の白さを際立たせる。「寒い雪の夜にでかけたい」(富本さん)。

(1)叡山電車「貴船口駅」からバスで約5分(2)http://kifunejinja.jp/

7位 戸隠神社 350ポイント
巨樹が見守る参道を行く(長野市)

歴史ある神社で、雪深い冬は人を寄せ付けないほど。「だからこそ希代のパワースポットの恩恵がある」(富本さん)。「たっぷりと綿帽子をかぶった社殿は雪国ならではの光景」(山田さん)だ。

社殿だけでなく参道の評価も高い。「奥社へ至る参道が何より素晴らしい。雪の日は静けさが包み、神話の時代へ誘ってくれるようだ」(石橋さん)。「参道は樹齢400年を超える杉並木が続く圧巻の光景」(井上さん)で、張り詰めた空気の中を静かに歩きたい。

(1)JR長野駅からバスで約1時間(2)http://www.togakushi-jinja.jp/

8位 立石寺(りっしゃくじ) 340ポイント
街並み眼下に岩山登る(山形市)

地元では「山寺」として親しまれている。正月三が日を過ぎると参拝者は少ないものの、登山靴を履いた外国人の姿が目立つ。開山堂までは1000段以上の階段を上る。真冬でも汗だくになるが、墨絵のような眼下の街並みに疲れを忘れる。

「麓から見上げると、岩山に点在する伽藍(がらん)の屋根に積もる雪景色が美しい」(加藤さん)。参道の途中には松尾芭蕉の句碑もある。「お参りへの期待が高まるJR山寺駅の静かなたたずまいも印象的」(井上さん)。

(1)JR「山寺駅」から徒歩(2)http://www.rissyakuji.jp/

9位 比叡山延暦寺 280ポイント
白い山と法灯のコントラスト(滋賀県大津市)

比叡山全域を境内とする、最澄が開いた天台宗の総本山で世界遺産。「関西から気軽に行け、雪景色が楽しめるという点でいうと、金剛峯寺と並んで延暦寺は二大峰」(岩佐さん)。「雪の日は荘厳さが増し、ピンと張り詰めた空気が気持ちいい」(北村さん)

標高は約800メートル。「雪に包まれた真っ白な山と、根本中堂で1200年以上消えることのない不滅の法灯。このコントラストこそ、冬の延暦寺の価値」(富本さん)。根本中堂は改修中だが参拝はできる。

(1)比叡山坂本ケーブル「延暦寺駅」から徒歩(2)http://www.hieizan.or.jp/

10位 三千院 260ポイント
客殿から望む庭園は格別(京都市)

比叡山麓に最澄が開いた天台宗の寺院。コケの庭や紅葉で名高いが、雪景色も高い評価を得た。とりわけ客殿から望む雪の庭園は四季折々の表情を持つ三千院でも格別だ。「老杉に囲まれてたたずむ往生極楽院は雪の朝、『東洋の宝石箱』とたたえられた美しさが際立つ」(水野さん)

京都市街の北東に位置する大原の里にある。「門前には市街地にはない里山が広がり、その雪景色も合わせて楽しめる」(井上さん)。

(1)京都バス「大原バス停」から徒歩約10分(2)http://www.sanzenin.or.jp/

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は選者の評価を点数に換算した。寺社名(所在地)。(1)交通手段(2)公式サイトのURL。写真は1、3位瀬口蔵弘、8位大久保潤撮影。7位石橋睦美氏、そのほかは各寺社の提供。

調査の方法 冬季に雪が降る全国の神社仏閣から、専門家の協力で28をリストアップ。雪景色の美しさと観光地としての魅力という視点から10人の選者がそれぞれ1~10位まで選定し、編集部で集計した。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

▽石田立雄(フォトエディター)▽石橋睦美(フリーカメラマン)▽井上健太郎(まっぷる編集部マネージャー)▽岩佐十良(自遊人編集長)▽加藤健司(鶴岡八幡宮教学研究所所長)▽北村武史(日本旅行総研研究員)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽林直子(いこーよ歴史旅ガイド)▽水野克比古(写真家)▽山田祐子(井門観光研究所代表)

[NIKKEIプラス1 2018年1月20日付]

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