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「チェキ」でインスタ映え 若年層で流行、新機種続々

2018/2/5 日本経済新聞 夕刊

同じ場所で撮ったチェキの写真をうまく配置する「フォトインフォト」。現実世界と写真が重なる不思議な感覚が話題を集める

 撮影したその場で白いフィルムが押し出され、絵が浮かび上がるインスタントカメラが人気だ。アラフォー世代には懐かしいが、若年層は「フィルム自体がインスタグラム映えする」と注目し、交流サイト(SNS)で活用する。一方、スマートフォン(スマホ)の写真がワイヤレスでプリントできる機種も人気で、多様化も進んでいる。

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 スマホカメラやデジタルカメラが全盛のなか、フィルムの技術を用いたインスタントカメラが好調に売れている。このジャンルで代表的な存在である「チェキ」を販売する富士フイルムによると、カメラ付き携帯電話の隆盛で一時は撤退を検討するほど低迷したが、2000年代後半にアジア圏を中心に人気が爆発してV字回復。12年度に全世界での販売台数は160万台だったのに対し、16年度は660万台にまで拡大した。

■文字書き込み、撮影方法工夫

 チェキは「撮ったその場でプリントできる」「プリントした写真に文字や絵を描いたり、ステッカーを貼れる」といった点が人気を集めてきた。だが、近ごろは「チェキのフィルム自体がインスタ映えする存在」と、スマホを使いこなすSNS世代の若年層の間で注目が高まっている。

 文字などを書き込んだチェキの写真をスマホカメラで撮影し、その写真をインスタグラムなどのSNSに投稿するのだ。その場と同じ風景を写したチェキの写真を入れて撮影する「フォトインフォト」というユニークな撮影方法も、上級者の間では流行している。

 チェキは、上質なデザインを採用した大人向けモデル「instax mini70」(店頭実勢価格は1万4000円前後)を投入し、幅広い層への浸透を狙っている。だが、チェキが人気を集めているとはいえ、多くの人が日常の写真撮影に使っているのはスマホだ。

■スマホの写真、その場で印刷

 そうした「スマホで撮った写真をチェキのフィルムにプリントしたい」というニーズの増加を受け、スマホ写真をワイヤレスでプリントできる小型プリンター「スマホdeチェキ」も発売された。失敗写真をプリントしてフィルムをムダにする欠点がないうえ、同じ写真を何枚もプリントできるメリットがあり、今後はこちらが主流になりそうだ。同モデルの「instax SHARE SP-2」の店頭実勢価格は1万8000円前後。

撮ったその場でプリントするカメラ一体型のチェキ(左)に加え、スマホからプリントできるチェキプリンター(中)も登場
新たに追加したスクエアタイプのチェキ用フィルム(左)。従来品(右)と比べ25%ほど大きい

 さらに、世界的なインスタグラム人気を受け、正方形(1:1比率)でプリントできるスクエアタイプのチェキを追加した。カメラ一体型の「instax SQUARE SQ10」(店頭実勢価格は2万8000円前後)と、スマホ連携タイプの「instax SHARE SP-3」(店頭実勢価格は2万5000円前後)がある。後者は、インスタグラムとの連携機能を備えており、過去にアップロードした正方形写真を簡単にプリントできる。

 こうしたブームを受け、富士フイルム以外のメーカーもインスタントカメラに参入。ポラロイドのブランドを受け継いだ企業の新ブランド「ポラロイドオリジナルズ」は、往年のデザインをモチーフにした「OneStep2」(店頭実勢価格は2万円前後)を投入。専用フィルムは8枚入りで2000円以上するが、フィルムのサイズがチェキよりも大きいのが特徴だ。

元祖ポラロイドカメラの雰囲気を受け継ぐ「ワンステップ2」。販売は一部店舗のみ
タカラトミーの「プリントス」。上部に載せたスマホの画面を撮影すると、チェキ用フィルムにプリントできる

 玩具メーカーのタカラトミーは、スマホの画面をチェキ用フィルムにプリントできる「プリントス」を発売した。撮影やフィルムの排出などをすべて手作業で実行するアナログ感と、4000円程度という低価格が魅力。動画のワンシーンも簡単にプリントできるなど、本家チェキにはない楽しさもある。

(ライター 磯修)

[日本経済新聞夕刊2018年1月20日付]

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