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オーケストラとサーカスが驚きの舞台 シルク・ドゥラ・シンフォニー

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NIKKEI STYLE

オーケストラの演奏に乗せてサーカスのパフォーマンスを見せる「シルク・ドゥラ・シンフォニー」が1月、初来日した。1カ月をかけて北海道から九州まで各都市で18公演を行う。今回の来日ツアーで共演するのはウクライナのキエフ国立フィルハーモニー交響楽団だ。誰もが知る名曲の演奏に合わせて宙を飛んだり、ジャグリングをしたり、目を見張るパフォーマンスとその舞台裏まで見た。

オーケストラに招かれジャグラーや怪力男も参加

シルク・ドゥラ・シンフォニーのメンバーは8人。奇抜で派手な舞台を繰り広げる団体にしては少ない気がするが、ロシアや米国の元体操選手、カナダのエンターテインメント団体「シルク・ド・ソレイユ」で活躍した人などでつくる少数精鋭のパフォーマー集団なのだ。連日公演が続く多忙な中、休業日にグループの総合芸術監督を務めるアレクサンダー・ストレルソフさんに会い、話を聞いた。

――「シルク・ドゥラ・シンフォニー」を始めたきっかけは。

「もともとはソロのパフォーマーとして米国のオーケストラに招かれて曲芸を披露したことがはじまりだった。観客に大いに喜ばれ、オーケストラに繰り返し招かれるうちに、ジャグラーや怪力男などの仲間も一緒に参加するようになり、2006年にカンパニーを結成した。その後はほぼ毎週末、米国を中心に各地でパフォーマンス公演をしている」

――オーケストラが演奏する同じ舞台上でパフォーマンスを繰り広げる、その狙いは。

「『コンサートホールにサーカスを』というコンセプトで、クラシック音楽と演技を融合させた舞台を目指した。演技に合わせて音楽をつくることもできるが、我々は逆に既存の音楽に合わせて演技する。サーカスの曲芸とクラシック音楽との相性は抜群だ。数多くの名曲があり、それに合わせて技を見せれば、それぞれの魅力が一段と引き立ち、非常に印象的で独特な舞台をつくることができる」

ホールの限られた舞台で安全に空中アクロバット

ただ、公演に向けて毎回課題となるのがステージづくりだ。今回の日本ツアーでも、札幌から福岡までの各都市で公演を行うが、会場は音楽用の専用ホールもあれば多目的ホールもあって、大きさも様々だ。

――ステージづくりでの留意点は何か。

「オーケストラが演奏するようなコンサートホールは大抵、空中アクロバットができるような構造には設計されていない。オーケストラと舞台を共有するので、スペースが非常に限られている。会場ごとにしつらえが違うので、我々も毎回、迫力ある演技を安全に見てもらえるよう、工夫しなくてはならない」

16日に東京・渋谷のオーチャードホールで行われた公演を、準備の様子から見守った。オーチャードホールは天井まで約20メートルと、今回のツアーの中でも特に高さのある会場で、ステージのスペースも広い。例えば、上からつり下げたロープにつかまってオーケストラの頭上を円を描くように飛ぶパフォーマンスは見せ場の一つ。リハーサルでは、このパフォーマンスを繰り返し、メンバーが何度も確認していた。「演技が音楽にぴったり合うよう、ホールの高さや広さにあわせて回転の数や上下するタイミングを調整するのが大事だ」とパフォーマーのヴィタリー・ブーザさんは説明してくれた。

驚きなのはパフォーマーをつり下げるロープだ。舞台袖で残りのメンバーがそろって綱引きをするようにロープを引っ張って操作しているのである。「モーターなど機械を使う舞台も増えているけれど、一番簡単で安全なのは人力だ。一晩で次の会場に移るといったことも多いので、この方法だと機材も少なくて済む」と総合芸術監督のストレルソフさんは言う。

キエフ国立フィルの演奏中も演技への拍手はOK

この日は来日ツアーのほぼ半ば。すでにキエフ国立フィルハーモニー交響楽団との息も合っているため、音楽と合わせてのリハーサルはしなかった。しかし新たに組むオーケストラとは必ずリハーサルをするという。「音楽的に息が合っていないといけないのはもちろんだが、オーケストラとの距離が近いので、楽団員たちが我々の演技に驚かないよう事前に見てもらう必要がある。演奏中に頭の上を誰かが飛んでいくなんてことは普段はまずないから、慣れておいてもらわないとね」とストレルソフさんは言って笑った。

公演直前のロビーをのぞくと、小さい子供連れの家族や若いカップルの姿が目立つ。ピエロが来場者を出迎え、舞台が始まる前から場を盛り上げていた。開演前からクラシックコンサートとはだいぶ趣が違う。「活動を始めてみて気づいたことだが、クラシック音楽に必ずしも興味のない若い世代も、サーカスにひかれて見に来てくれる。そこで本物のクラシック音楽を聴いて、興味を持つようになるかもしれない。クラシック音楽という美しい芸術に若い世代が触れるきっかけをつくれたらと思う」とストレルソフさんは語る。

公演が始まると、まずは正装したオーケストラのメンバーが登場し、ショスタコーヴィチの「祝典序曲 作品96」を演奏した。ここまでは普通のクラシックコンサートの雰囲気だが、シルク・ドゥラ・シンフォニーのメンバーが登場し、様子は一変した。次々に目を見張るような技を見せると、演奏中でも拍手が湧き上がり、声援も送られた。クラシックコンサートでは一般的に演奏中の拍手はタブーだ。この点についてストレルソフさんに聞くと、苦笑し語り始めた。

誰もが楽しめる音楽パフォーマンスとしての魅力

――演奏中の拍手をどう捉えているか。

「我々の舞台を構想した段階では、クラシックコンサートでのエチケットとサーカスのショーを見る際の観客の行動パターンが真逆だという事に気づいていなかった。クラシックコンサートでは音楽が終わるまで拍手はしないし音は立てない。ただ、舞台ですごい演技を見せれば、演奏中でも拍手をしたくなるのが人情だろう。当初は観客もどうしたらいいのか分からなかったようだ。最近は演奏中でも大いに拍手をしたり楽しんだりしていい、ということを伝えるようにしている。それが分かると観客もリラックスし、拍手し、声援を送ってくれるので、今ではいい雰囲気の中で演技ができている。日本の観客、特にクラシック音楽のお客さんにとっては間違いなく新しい体験だと思う」

16日の公演でも、演奏中に観客から何度も拍手や声援が送られ、それによって会場内が一層盛り上がるように感じた。クラシックコンサートだと思っていくと面食らうかもしれないが、国境も世代も超えて、誰もが楽しめる音楽パフォーマンスとして、新たな魅力を放つ舞台だ。

(映像報道部 槍田真希子)

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