驚きの没入感 高いフィット感の完全無線イヤホン
驚きのフィット感、ヘッドホン並みの没入感で音楽を聴ける──。急拡大する完全ワイヤレスイヤホン市場に、画期的な新製品が登場する。神奈川県鎌倉市が拠点のスタートアップ、ヴィースタイルが開発する完全ワイヤレスイヤホン「VIE FIT(ヴィー・フィット)」だ。先行して挑んだクラウドファンディング・サービスKickstarterでは約3700万円の支援を獲得。Makuakeでも2017年12月1日の開始以来約1カ月半で2300万円を突破する好調ぶりだ。
アップルの「AirPods」をはじめ競合がひしめくなか、他製品と決定的に異なるのが、耳穴に入れる外装部が特殊なシリコーンで作られている点だ。非常に柔らかいため、耳穴の形に合わせて、その形状や向きを自在に変えられる。「耳の形は個々人で違うのに、従来のイヤホンの外装部は形や向きが固定されていて変わらない。そのためフィットが不完全で、痛みや良い音が聴けない原因だった」と、ヴィースタイルCEOの今村泰彦氏は話す。
さらに、スピーカーをイヤホン先端に搭載した構造も、他製品にはない特徴だ。良質な音を聴くには、機器のスペックもさることながら、スピーカーが鼓膜に対して真正面付近にあり、直進する音をストレートに届けることが大切。従来品はスピーカーの位置が固定されていたが、VIE FITは自在に動かせるため、より鼓膜の近くで音をダイレクトに届けられる。
実際に装着してみると、着け心地は柔らかで違和感がなく、隙間なく耳穴が塞がれている密閉性を実感した。音楽を流すと、これまでのイヤホンにはない迫力の音が耳の中で響き渡る。その没入感の高さは驚くほどだった。「外音が完全に遮断され、小さな音量でも十分に音楽に没入できるため、鼓膜にも優しいのも利点」(今村氏)と話す。
イヤホン本体は小ぶりで、耳穴が小さい女性にもフィットしやすい。最新のBluetooth5.0に対応しており、音が途切れることもほぼないという。
18年5月に市販開始を予定し、日本だけでなく、欧米、中国、東南アジアで販売していく計画。「痛くならない没入イヤホン」が世界を席巻しそうだ。
(文 高橋学、写真 高山透)
[日経トレンディ2018年2月号の記事を再構成]
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