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有森裕子 陸王で話題「ミッドフット走法」に思うこと

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

皆さん、こんにちは。今年も、ランニング好きの皆さんに健康的に楽しく走っていただけるように、情報を発信できればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、ご覧になっていた方も多いと思いますが、「陸王」というドラマが2017年12月、最終回を迎えました。

「陸王」は、池井戸潤さん原作、役所広司さん主演で、2017年10月から12月までTBS系列で放送された連続ドラマです。老舗足袋業者「こはぜ屋」が、会社存続のために、足袋製造の技術を生かした「裸足感覚」のマラソンシューズの開発にチャレンジし、大手企業との熾烈な競争、資金難といった様々な試練を、仲間と共に乗り越えていくというストーリーです。マラソンランナーの苦悩や栄光も表現され、とても夢のあるステキなドラマでした。

ただ、このドラマが始まってから、いろいろな方からこんな質問をされるようになりました。

「ミッドフット走法って、いいんですか?」

「どこで着地するか」より大切なこと

「ミッドフット走法」とは、足裏と地面の接地方法に注目した走り方の1つで、足裏の中央部で着地する方法を指します。ほかには、足裏の前方(足指の付け根部分)で着地する「フォアフット走法」、足裏の後方(かかと部)で着地する「ヒールストライク走法」があります。

「ミッドフット走法」の特徴は、足裏の真ん中辺りで着地し、足裏全体で地面を押すイメージで蹴り出すことです。足裏全体で衝撃を吸収するため、体幹が安定し、上下動が少なくなるとされています。エネルギーのロスが少ない分、スピードも上がると言う人もいます。

一方、かかとから入る「ヒールストライク走法」で走る日本のランナーは多く、地面からの反発力を推進力に変えて走ることができるといわれています。「フォアフット走法」はアフリカのトップランナーに多く、最もスピードが上がる走法ですが、足への負担も大きく、骨格や筋肉、腱のつき方が彼らとは異なる日本人が習得するのは難しいとされています。

……と、簡単に説明しましたが、私自身、現役時代に足裏のどこで着地するかといったことは、ほとんど意識していませんでした。計測データすら取ったことがありません。ということは、着地に関してさほど意識しなくても支障なく走れたということになります。

極論すれば、自分が最も走りやすいと思う位置で着地すればいいと思いますし、あまり「つま先、真ん中、かかとのどこで着地するか」ということに意識をとられすぎないようにしたほうがいいのではないかと思います。なぜなら、着地の仕方は、ランナーのフォームや体格、筋量だけでなく、上りや下り、平坦、トラック、ロード、トレイルといった地面の状態によっても異なるからです。

何よりも、安易なフォームの変更は、ケガのリスクを上げます。特に危険なのは、初心者ランナーがランニングドラマや有名ランナーのインタビューを見て感化され、十分な知識も筋肉もない状態で、新しい走法にチャレンジすることです。特に、寒さで全身の動きが硬くなりがちな冬に走法を変えるのは、ケガをするリスクが高まり、あまりお勧めできません。

ドラマを見て、裸足感覚の薄くて軽いソールのマラソンシューズに心惹かれた方もいると思いますが、薄くて軽いソールのシューズで長い距離をトレーニングできるのは、上級者に限られます。人気選手が履いているモデルのシューズを買って履いたり、テレビや雑誌で見た「フォアフット走法」に自己流でチャレンジしたりして、思わぬケガをしてしまう市民ランナーの方も時折見かけます。ランナー一人ひとり、走り方も、骨格も、筋肉のつき方も、スピードも、そして走る目的や目標も違います。「この有名選手が推奨していた走法だから」「箱根駅伝で活躍した選手が履いていたシューズだから」などと、安易にまねしないようにしていただきたいなと思います。

冬は室内トレーニングも大切に

着地をどうするかを考えるよりも、この冬のトレーニングをどうするかに意識を向けてみましょう。私が実業団選手だったときは、走り込みは冬ではなく、夏の合宿で行っていました。冬は駅伝などのシーズンなので、夏に鍛えた土台を使ってスピードや技術を磨いていくというイメージです。

では秋に大会シーズンを終えた市民ランナーは、冬のトレーニングをどうすればいいでしょうか。

まず、ケガをしやすい寒いこの時期は、室内でできる練習もメニューに加えましょう。筋トレや腹筋・背筋などの補強はお勧めです。体を安定させる体幹や、腕振りに重要な腕まわりを鍛える補強トレーニングは大事です。大きな負荷をかけてウエイトトレーニングをガンガン行うというよりは、自分が上げられる最大重量の7~8割の重りのベンチプレスやスクワットなどを、10回×3セットほど行うといったイメージでしょうか。

また、傾斜がつけられるトレッドミルで練習できる人は、少し傾斜をつけて山登りのように歩いたり、ゆっくり走ったりすると、レースの後半に役立つ持久力を養い、大腿部後部なども鍛えられます。

10kmほどの短い距離のロードレースに、トレーニング代わりに出ることも気分転換になり、実践的な練習になるのでお勧めです。短い距離のクロスカントリーも、土や芝生、坂道など様々な場所を走るので、色んな部位を鍛えられると思います。ただし、雪が降っているときは地面が滑りやすくなるので気をつけてください。

寒くても水分補給をおろそかにしないで

最後に、冬場のトレーニングで気をつけるべきポイントを2つお伝えしたいと思います。1つは「防寒対策をしっかりする」こと。寒さで体や筋肉が冷えると、柔軟性が失われ、走り始めたときやバランスを崩したときなどに地面からの衝撃をうまく吸収できず、疲労骨折やアキレス腱炎といったケガにつながりやすくなります。

あまりたくさん着込むと動きが制限されて走りづらくなりますが、ランニング用のタイツや手袋、帽子、着脱しやすいネックウォーマーやアームウォーマーといった防寒具をうまく活用し、体の保温に努めましょう。特に首や手首、足首といった関節部分を保温すると体感温度が上がるといわれています。ベビーオイルなどをそうした関節に塗って、保温してから走り始めるのもいいと思います。体を温めるウォーミングアップはもちろん、走り始める前と終わった後に行うストレッチ習慣の重要性は言うまでもありません。

体を温める温野菜を意識してとったり、体が冷える食物を控えるなど、食生活にも気を配れるといいですね。暖房が入った部屋ではアイスクリームや冷たい飲み物をついついとってしまいがち。体を冷やしてしまうので気をつけましょう。

2つ目は「水分補給をおろそかにしない」ことです。夏は暑くてのどが渇くので水分補給や熱中症対策に注意しますが、寒い冬はその意識が薄れます。目に見えるような汗をかかなくても、空気が乾燥すると皮膚や呼気、粘膜などから失われていく水分があります。水をガブガブ飲む必要はないですが、トレーニングの最中は「15分に1回飲む」などと自分なりのルールを決めて、季節に関係なく、こまめに水分を補給する習慣をつけましょう。また、ピーク時よりは少ないですが、冬でも紫外線を浴びます。気になる人は日焼け止めなどでケアされることをお勧めします。

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子さん
 元マラソンランナー。1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

[日経Gooday 2018年1月9日付記事を再構成]

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