マネー研究所

美味しいお金の話

「現金お断りの店」や電子賽銭 キャッシュレス極める ファイナンシャルプランナー 風呂内亜矢

2018/1/19

愛宕神社では18年から楽天Payでも電子賽銭が払えるようになった(東京・港)

 電子マネーを使える場所や電子マネーの種類が増え、キャッシュレス化が一段と進んでいます。私自身、昨年秋に「現金支払い不可」のレストランを体験し、今年の初詣の際には電子マネーでお賽銭(さいせん)を払いました。お賽銭のように従来ならば当然、現金を使うシーンですら電子決済ができるようになっています。店舗を含め決済手段が多く選べるようになると、利用者としてよりお金を美味(おい)しく使える機会が増えます。

■タブレットで注文、専用端末で決済

店の外にも「CASH LESS」と大きく表示されている(GATHERING TABLE PANTRY 馬喰町店)

 ロイヤルホールディングスが2017年11月6日にオープンしたGATHERING TABLE PANTRY 馬喰町店(東京・中央)は「現金お断り」のレストランです。11月25日の土曜日に早速、お邪魔してみました。店の外にも「キャッシュレス」と大きく表示され、店内でも「支払いには現金が使えない」と説明されました。確かに、知らずに入店した「現金派」の人が支払い時点で現金不可と気づくと大変ですからね。

 席にあるタブレットでメニューを見て注文し、食後は支払い実行のボタンを押すと、スタッフが決済用の端末を持参して対応してくれます。私は普段から買い物のほとんどをカード決済しているので、なんの違和感もなく利用できました。最近はスーパーでも自身で支払い手続きできる「セルフレジ」を導入している店舗が増えていることもあり、欲をいえばタブレットで決済まで終わらせられたらもっと手軽になりそうです。店側としては現金を扱わないため、閉店後にレジを締める手間を削減することができます。また、防犯上もレジに現金が入っていないほうが安全性が高そうです。

支払いは決済用の専用端末(上)で(同)

 家庭においても電子決済に徹すると、支出を漏れなく記録しやすくなるため、家計管理の手間を減らすことができます。「電子マネーに慣れてしまうと現金の感覚を忘れて金銭感覚もまひし、支出が増えてしまう」などと恐れる人もいますが、お金の管理にたけている人の中には、むしろ徹底的に電子化させて記録を残している人も多いようです。

 使い過ぎの心配がある人は現金でお金の管理のトレーニングを積んで、ゆくゆくは「現金でも電子マネーでも買い物の判断は変わらない」という状態を目指すほうが、抵抗なく適切に家計を管理できるようになります。

■賽銭、金額指定も思いのまま

 年が明けてからは愛宕神社(東京・港)で「電子賽銭」に挑戦してみました。同神社では14年から年始の特定の日だけ、楽天Edyでお賽銭が支払えるようにしています。18年からはQRコードを読み取って支払いができる楽天Payへの対応も始まりました。

愛宕神社の電子賽銭は金額を入力して確定し、カードをタッチする

 18年は1月4日が電子賽銭が使える日と聞き、当日は初詣で混んでいたこともあって、2時間並んで試しました。受付は日没ごろまでと聞いていたのでハラハラしましたが、日没後の午後5時40分ごろでも試すことができました。2時間並んでいる中で、電子賽銭について話しているグループを2、3組見かけましたが、実際に電子賽銭を使っていたのは私の前後の50組程度の中では見当たりませんでした。

■レシートがなくても支出を自動で記録

 お賽銭を払う際、ご縁(5円)にまつわる金額にしたいと硬貨を探すことが多いと思いますが、電子賽銭であれば金額指定は思いのままです。また、通常のお賽銭のように電子決済ができなかったり、自動販売機などのように電子マネーは使えてもレシートが発行されなかったりすると、家計管理から漏れがちです。こうした支出についても家計簿アプリなどとひも付けておけば、自動的に記録が残るので家計が管理しやすくなります。

 愛宕神社での心残りは、私がふだん使っている楽天Payが電子賽銭の決済手段に追加されていることを把握していなかったことです。このため、最近は使っていなかった楽天Edyをわざわざ引き出しから引っ張り出してきて試す形となりました。電子賽銭も楽天Payで挑戦すれば、普段のほかの支出とまとめて管理しやすかったのにと反省しました。

■相性の良い決済スタイルを見つける

 電子決済は確かに便利ですが、自分が日ごろから使っているツールでないとその効果をうまく生かせず、むしろ記録が分散されたりして逆効果になることもあります。取りまとめがしやすい決済のスタイルは家庭によって異なりますが、相性の良い決済方法を見つけて、少しでも手間をかけずに家計を「見える化」したいですね。

風呂内亜矢
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳でマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始める。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。著書に『その節約はキケンです-お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか-』(祥伝社)、『図解でわかる! 投資信託』(秀和システム)などがある。管理栄養士の資格も持つ。http://www.furouchi.com/

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