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緑茶も新しい波 シングルオリジンで味の違い楽しむ

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NIKKEI STYLE

コーヒーやチョコレートなどで近年「シングルオリジン」という言葉をよく耳にするようになった。単一品種・単一農園のコーヒー豆やカカオを原料にすることで、味や香りの違いを楽しんだり、生産者がわかったりすることで消費者が安心できるというものだ。このシングルオリジンが緑茶でも注目されている。

緑茶は「宇治」や「狭山」など産地の名前が付けて売られているのでシングルオリジンのイメージを持つ人が多いかもしれない。実は複数の農園や品種の茶葉をブレンド(合組=ごうぐみ=という)して作られるのが一般的だ。お茶のメーカーは、様々な茶葉から一定の味わいのブレンドを作るのが技術とされてきた。シングルオリジンの緑茶は一定の味わいを安心して飲むことよりも、個性を楽しむものだ。

2017年11月、銀座にシングルオリジン煎茶の茶葉を扱う専門店「煎茶堂東京」がオープンした。煎茶とは栽培や加工方法によって分類された緑茶の種類の一つで、緑茶の中ではもっともよく飲まれているもの。煎茶堂東京はLUCY ALTER DESIGNが運営する日本茶ブランドgreen brewingが、17年1月に三軒茶屋にオープンしたカフェ「東京茶寮」に続く同ブランドの2店舗目となる。客層は30~40代の男女が中心だ。LUCY ALTER DESIGNの谷本幹人さんは「想定以上の反響に、(出店プランなど)色々な予定を早めて動いている」と話す。

煎茶堂東京の店内や商品パッケージは従来の日本茶の店の伝統的なイメージと異なるモダンな印象で、それぞれの商品に苦味、甘味、旨味の度合いが星印でつけられている。緑茶でこのようにわかりやすく味わいを示したものは珍しい。谷本さんはもともとコーヒーの事業を運営しており、コーヒーでよく使われる表現を採用した。今回、緑茶を取り扱うにあたり、バリスタの仲間たちと協力しながら味の評価基準を定めていったという。

緑茶はすべて試飲が可能。今回は「はるもえぎ」と「Z1」の2品種を試飲した。実は、日本で作られている緑茶の75%は「やぶきた」という品種だが、ここではこのように他の品種の緑茶もそろっている。

「はるもえぎ」は緑がかった黄緑色で、口に含むと甘みとうま味が広がる。一方「Z1」は明るい黄緑色。その色合いのイメージ通り、クリアですっきりとした飲み心地だ。茶葉によってこれだけ味が変わるのかと驚き、まさにコーヒーのシングルオリジンのように、違いを楽しむということが直感的に理解できた。

「茶葉によっても味が違いますし、70度の湯でいれる一煎目、80度の少し熱めの湯でいれる二煎目、三煎目とそれぞれ味が変わります。温度を調整することで、抽出される成分が変わるんです。お客様には茶葉の特徴と一緒にこうした化学的な説明をすることで、より違いを楽しんでもらえるように意識しています。実際に飲んでみると、皆さん『こんなに違うんだ!』と驚かれますね。これまではコーヒーを楽しんでいたけど、飲み比べることで緑茶の魅力にはまったという人も多いです」(谷本さん)

生産者を支える取り組みとしても注目

現在、煎茶堂東京で販売しているシングルオリジン煎茶の種類は25種類。「茶の生産は7年から10年ほどかけて行うものなので、メジャーではない品種を選ぶのは賭け。でも、生産者の方は皆さんそれぞれ思いを持って作っている。そんな中、シングルオリジンで飲むという取り組みは生産者の皆さんにもとても喜ばれています」(谷本さん)

これまでのメーカーによるブレンドのお茶の場合、生産者にとっては「自分の作ったお茶が飲まれている」という実感を持ちにくかった。さらに近年は、生産者の高齢化と後継者不足から茶葉農家の数は減少傾向にある。シングルオリジンのお茶ができることで、生産者にとっては消費者に届いている実感が得られ、かつブランド化できることで価格も高めに設定できる。茶葉農家を続けていける環境を作るという面でも、シングルオリジンは注目されているのだ。

伊藤園もシングルオリジンの店舗をオープン

「お~いお茶」などを販売する大手飲料メーカー伊藤園も、シングルオリジンに注目している。17年9月、三越日本橋本店にオープンした「日本橋 和の茶 伊藤園」では、約50種類のシングルオリジン日本茶を取りそろえた。店内のディスプレーには生産者の映像が常時流れており、時には生産者がカウンターに立ち、客と話をする機会もある。茶葉の価格は50グラムで7000円を超えるこだわりの茶葉も。一般的な茶葉に比べると高価だが、「リピーターが多く、支持されているという手応えを感じる」(伊藤園百貨店一部第二課課長神宮大さん)。

「生産者の顔が見えて、茶葉ができるまでのストーリーや思いを生産者と直接共有することで、お客様への安心につながっていると思います」(神宮さん)

客層は50~60代が中心で、はじめてシングルオリジン緑茶を飲む人もいるが、もともと造詣が深く、探し求めてくる人も多いという。茶葉のほか、ここでしか購入できない福岡県産八女玉露「伝統本玉露」を100パーセント使用した瓶詰めの緑茶「和の茶 玉露」も人気だ。

店舗で試飲ができるほか、イートインコーナーではお茶菓子とともにシングルオリジン緑茶を味わえる。神宮さんは「現在は比較的年齢層が高いが、お茶のすばらしさを知ってもらうため日本橋で働く若い方にも気軽に立ち寄ってもらいたい」と話す。

「シングルオリジンを中心に扱っている店舗は、全国に数ある伊藤園の店舗の中でもここだけ。まずはここを成功させてから次へと展開していきたい」(神宮さん)

コーヒーはスターバックスやタリーズによる「セカンドウエーブ」から、ブルーボトルコーヒーなど、シングルオリジンを売りにする「サードウエーブ」が登場し、今ではすっかり定着した。一方、緑茶は日本人の生活に根づきすぎており、まだ大きな変化を遂げていない。シングルオリジンは煎茶に新たな波を起こせるか、注目だ。

(ライター 小沼理=かみゆ)

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