ワルツのリズムで土俵入り 「相撲トレ」でロコモ予防
ロコモ(ロコモティブシンドローム)とは、立つ、歩くといった体を動かす機能が落ちた状態。この予防のため、整形外科医が考案したユニークな体操「相撲トレ(すもトレ)」が話題を呼んでいる。
相撲トレは、3拍子のワルツにのせて「横綱土俵入り」の動きをすることで、ロコモを予防する体操。基本となる相撲スクワット(下図)のほか、四股(しこ)踏み、せり上がりなどの相撲の動きが満載されており、「1日2分行うことで、寝たきり予備群になるのを防げる」と、考案者であるNTT東日本関東病院の大江隆史院長補佐は言う。
ロコモというと高齢者で問題になると考えがちだが、「運動不足や偏った食生活などにより、若い人でもロコモになることがある」と大江院長補佐は指摘する。実際、東京・丸の内エリアで働く20~30代の女性352人を対象に行われた運動機能調査で、34%の人が既にロコモになっていることがわかった。
もしかしてロコモ? と気になったら、まずは「片脚立ち上がりテスト」をやってみよう。高さ40cmのイスから片脚で立ち上がれなかった人は「ロコモ度1」。ロコモの初期であり、少しずつ運動を始め、筋力や骨を強くする食事をとる必要があるとされる。
「ロコモの改善や予防には、下半身に筋肉を付けるスクワットと、バランス力をつける片脚立ちが役立つが、相撲トレには両方の要素が含まれている」と大江院長補佐。相撲の動きは体の軸をしっかりと保持することが基本で、それが全身の筋肉を鍛え、丈夫な体を作る効果があるという。解説動画がユーチューブに公開されている(https://youtu.be/wxXaDh19HBE)ので、チェックしてみよう。
NTT東日本関東病院(東京都品川区)院長補佐。手術部長、整形外科主任医長。1960年京都府生まれ。85年東京大学医学部卒業。同大整形外科医局長、名戸ヶ谷病院整形外科部長などを経て2015年より現職。日本整形外科学会・日本手外科学会専門医。ロコモチャレンジ!推進協議会委員長。近著に『DVD付き 1日2分で一生自分の足で歩ける!相撲トレ』(SBクリエイティブ)。
(ライター 金沢明)
[日経ヘルス2018年2月号の記事を再構成]
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