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人間関係を破壊する 4つの「怒り」との付き合い方 「怒り」との正しい付き合い方(上)

日経ヘルス

2018/2/5

止まらぬイライラ、負の感情にどう対処すべき?(イラスト:谷小夏)
日経ヘルス

 日常生活でイラッとしてしまう瞬間は誰しもあるもの。しかし、怒り方を間違うと、自分を取り巻く人間関係に支障が生じてしまう。怒りを上手にコントロールする方法などを3回にわたって解説する。1回目は怒りの感情がわき上がるメカニズムなどについて見ていこう。

◇  ◇  ◇

 会社では部下につい怒りすぎてしまい、子どもを叱り始めると止まらない……。そんな、怒りに関わる悩みを持つ人は多いのではないだろうか。

 人はどうして怒ってしまうのか。「怒りは、身の危険を感じたり、自分のテリトリーに踏み込まれたとき湧き上がってくる感情で、防衛本能の一つ。怒り自体は自然な感情で悪いものではない。しかし、怒りの感情をそのまま出せば、伝えたいことも伝わらず、トラブルになることも。表現が難しい感情といえる」と精神科医で神田東クリニック院長の高野知樹さんは話す。

怒りは、本来は命の危険を感じたときに湧いてくる感情。血圧、脈拍が高くなり、体も心も闘う準備に入る(イラスト:谷小夏)

 日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんは、怒りの正体は、「~するべき」という考え方にあると話す。「約束は守るべきなどの『べき』は自分の期待や願望を表す言葉。これが裏切られ、理想と現実にギャップが生じたとき、人は怒りを覚える」と安藤さん。

 一方で、怒りには別の感情が隠されているともいう。不安、つらい、苦しい、悲しいといったマイナスの感情だ。「心がコップだとして、つらいことや悲しいことなどでいっぱいになっているところに、願望が裏切られるような出来事があると、感情が怒りとなってあふれ出す。隠された感情を理解していないと、怒りに振り回されていると感じてしまう」と安藤さん。

 怒りの矛先は親しい人に向きやすく、会社なら直属の部下、家庭では子どもに集中しやすい。会社でのイライラを家庭で子どもにぶつけるというパターンも少なくない。

 安藤さんは「怒りには社会をいい方向へ変える力もあるが、人格や能力の否定につながり、人間関係を壊すこともある」と話し、注意したい怒りに次の4つを挙げる。一度怒ると必要以上に強く怒ってしまう「強度の高い怒り」、過去の出来事を根に持って怒る「持続性のある怒り」、イラッとすることが多い「頻度の高い怒り」、人・モノにあたったり、自分を責めたりする「攻撃性のある怒り」だ。

(1)強度の高い怒り
・一度怒り出すと気が済むまで全力で怒ってしまう
・周囲のことも気にせず大きな声で怒鳴る
・相手が反省している様子でもとことん怒る


(2)持続性のある怒り
・いつまでも怒りを忘れられず、根に持ってしまう
・どれほど月日がたっても忘れられない怒りがある
・思い出しては怒りを再燃させてしまう
・怒りを通り越して、恨みや憎しみに凝り固まってしまうことも


(3)頻度の高い怒り
・いつも怒っている人だと思われるくらいに頻繁に怒ってしまう
・いつでも不機嫌
・年中何かしらイライラしている


(4)攻撃性のある怒り
・他人に当たったり、責めてしまう
・自分を責めて、怒りをためこんでしまう
・ドアを叩きつけて出て行ったり、手近にあるものを投げつける


(データ提供:日本アンガ-マネジメント協会)

 怒りすぎに悩む人は、怒ることと怒らなくていいことの区別がつかず、怒る必要のない場面で怒っている可能性も高い。後味が悪く、怒ったことを後悔するような怒りは、不要な怒りとして排除していきたい。

 怒りへの適切な対処法については、次回以降の記事で解説する。

高野知樹さん
 神田東クリニック(東京都千代田区)院長。日立製作所健康管理センター産業精神科主任医長などを経て、2009年12月より現職。医学博士、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医、労働衛生コンサルタント。
安藤俊介さん
 日本アンガ-マネジメント協会代表理事。アンガーマネジメントコンサルタント。2003年に渡米し、アンガーマネジメントを学び、日本に導入した第一人者。企業、教育現場、医療機関等で数多くの講演、研修を行う。

(ライター 海老根祐子、構成:日経ヘルス 羽田光)

[日経ヘルス2018年2月号の記事を再構成]

日経ヘルス 2018年 3 月号

著者 : 日経ヘルス編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 700円 (税込み)


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