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海賊「黒ひげ」沈没船から新発見! 書籍の紙片と判明

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ナショナルジオグラフィック日本版

悪名高きカリブの海賊「黒ひげ」。その旗艦に乗り組んでいた18世紀の男たちは、どうやら読書を楽しんでいたらしい。

難破した「クイーン・アンズ・リベンジ(アン女王の復讐)」号から回収された紙片が、1712年に出版された英海軍のエドワード・クック大佐の著書『A Voyage to the South Sea, and Round the World, Perform'd in the Years 1708, 1709, 1710 and 1711(太平洋および世界一周の航海、1708、1709、1710、1711年に遂行)』の一部であることがわかった。

米歴史考古学協会の年次学会で、クイーン・アンズ・リベンジ(QAR)保存研究所が発表した。

紙片に記されていたヒント

クイーン・アンズ・リベンジ号は、1718年に現在の米ノースカロライナ州ビューフォート沖で座礁し、黒ひげはその数カ月後、英海軍との戦闘によって命を落とした。海に沈んだ黒ひげの旗艦は、1996年に民間の調査会社によって発見され、その1年後、ノースカロライナ州自然文化財課による調査が開始された。

QAR保存研究所の修復・保存作業員であるエリック・ファレル氏によると、その紙片は、2016年に行われた洗浄・保存作業の最中に大砲の薬室から見つかった。濡れたボロ布にくるまれていたという。火薬で黒ずんだ紙は、大砲の砲口を保護するための栓にかませる詰め物として使われていた可能性がある。

全部で16枚ある紙片は、どれも25セント硬貨(直径約24ミリ)より小さく、そのうち7枚には文字が記されていた。修復作業者がこれを丁寧に開いてみたところ、重なりあった複数の紙のテキストがどれも同一方向に沿って書かれていたことから、これは一冊の本から切り取られたページの一部と推測された。

調査の結果、テキストには「south(南)」、「fathom(ひろ=水深の単位)」などの単語が書かれていることが判明、この紙片が海運や航海の本に由来するだろうと考えられた。しかし、QAR研究所の保存・修復作業員であるキンブリー・ケニヨン氏によると、本を特定する決め手となったのは、ある単語だったという。

「重要な鍵となったのは『Hilo(ヒロ)』という単語でした。この独特の言葉はイタリック(斜体)で記されていたため、おそらくは地名だろうと推測できました」とケニヨン氏は言う。「これは実に幸運でした」

有力な手がかりを得たQAR研究所は、印刷されたテキストの歴史に詳しい英グラスゴー大学のジョアンナ・グリーン氏に助言を仰いだ。数ある候補地の中から最初に外されたのは米ハワイ州の「Hilo」だった。ここは1778年のジェームズ・クックの探検以前には、欧州の文献には登場しない。次にグリーン氏の指摘により、古い英語の文献で言及されている、南米ペルー沿岸地方のスペインの植民地「Ilo」が検討された。

この場所についての最も古い文献は、太平洋を航海する最中に「Ilo」の襲撃に参加した英国人の船乗りによるものだ。ケニヨン氏によると、17~18世紀には、スペインの植民地を略奪する話が英国人の間で大いに人気を博していたという。

ロビンソン・クルーソーの元ネタも

しかし、この文献もクイーン・アンズ・リベンジ号から見つかった本の切れ端とは一致しなかったため、調査員らは「Ilo」の略奪に言及している他の資料を探した。そしてついに本の断片の出所が、エドワード・クックによる『A Voyage to the South Sea, and Round the World, Perform'd in the Years 1708, 1709, 1710 and 1711』の初版の177~178、183~188ページだということを突き止めた。

同書は、ウッズ・ロジャーズ船長率いるデューク号とダッチェス号という2隻の船による航海において、クックが自ら体験したことを記したものだ。ロジャーズもまたこの航海に関する本を出版しており、どちらの本にも、アレクサンダー・セルカークという名の、無人島で4年間暮らした男の救出についての言及がある。ダニエル・デフォーは1719年、この救出劇にヒントを得た小説『ロビンソン・クルーソー』を出版している。(参考記事:「『白鯨』の元ネタは小説より壮絶だった」

歴史的資料から、多くの海賊団には文字を読める者が何人か所属していたと考えられている。航海士は海図を読み解く必要があったはずだ。ケニヨン氏によると、拿捕した船から海賊らが本を盗み出したという記録があり、さらには黒ひげが付けていた日記が存在するという説もあるが、これは本人の死後に盗み出されたという。

QAR研究所のチームは現在、ノースカロライナ州自然文化財課公文書記録局、ウィンターサー/デラウェア大学芸術保存プログラムと協力して、極めて繊細な紙片の保存に取り組んでいる。2018年には、黒ひげの死後300年を記念したイベントの一環として、難破船からの発見に関する展示が予定されている。

クイーン・アンズ・リベンジ号からは本の紙片の他にも、釣鐘、装飾用の剣、繊細な造りの懐中時計などの貴重な品々が見つかっている。同船から回収された約10万点の遺物のうち4万点は、今も保存作業を待っている状態で、ケニヨン氏はこの先も重要な発見があることを確信している。

「これ以外にも、船の半分はまだ発掘されずに海の底で眠っているのです」とケニヨン氏は言う。

次ページで、海賊「黒ひげ」の沈没船から発掘された品々の写真8点を紹介。

(文 Kristin Romey、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年1月11日付]

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