マネー研究所

Money&Investment

高齢の親「逆走してます」 損保が運転見守りサービス 自動車保険の特約は保険料も手ごろ

2018/1/16

PIXTA

 高齢者の自動車事故が増えているというニュースを見て、離れて暮らす高齢の親の運転が心配です。保険会社などが高齢者の運転を支援するサービスを始めたと聞きますが、どのような内容でしょうか。

◇  ◇  ◇

 警察庁によると交通事故の死者数は減少傾向だが、65歳以上の占める比率は2016年で55%と10年前に比べ11ポイント上昇した。年を重ねるにつれて認知、判断、操作などが遅くなり重大な運転事故を招きやすい。

 損害保険会社は高齢者の事故多発を受け、高齢の親を持つ子供も視野に入れた運転支援・見守りサービスを拡充している。事故発生時の対応や危険運転の警告、運転診断の表示が柱だ。

 三井住友海上火災保険が18年1月から提供する「GK見守るクルマの保険」は運転見守りサービスに主眼を置いた。小型の車載器とスマートフォン(スマホ)の専用アプリを使う。

 高速道路を逆走したり自宅から半径20キロメートルを超えるなど、あらかじめ指定した区域外で走行したりすると、運転者に「逆走していませんか」などと音声で警告すると同時に、登録しておいた子供など家族のスマホにメールで通知。月間の運転レポートも共有する。

 東京海上日動火災保険の「ドライブエージェントパーソナル」と損害保険ジャパン日本興亜の「ドライビング!」は通信機能を持つドライブレコーダーを搭載。事故発生時は映像を自動で記録、送信する。

 東京海上は17年11月に事故防止支援サービスを強化。片寄り走行、前方車両接近時に「走行レーン・車間距離にご注意ください」などと注意喚起する。

 損保ジャパンが18年1月に本格導入したサービスでは、綜合警備保障(ALSOK)が事故現場に原則30分以内に急行し、救急車の手配や事故状況の聞き取りなどをする。

 これらの保険会社のサービスは自動車保険の加入が前提で、通常の自動車保険料に月300~850円の特約料を支払う。

 オリックス自動車の「エバードライブ」は専用機器を使い、危険運転を冒しがちな地点を地図に表示するほか1日の運転状況をメールで知らせる。特定の損保との契約は不要で利用料は3218円(税込み)だ。

 高齢者に運転免許証の返納を促す動きもあるが、安全運転の期間が少しでも長くなれば生活の質(QOL)が向上するし、保険会社は保険金の支払い増を抑制できる。運転記録を通じ、親子が運転について会話する効果も期待している。

 ただ、運転記録をとられたくない運転者もいるだろう。ファイナンシャルプランナーの平野敦之氏は「親子で何が必要なのかをよく考えたうえで加入を検討したい」と助言している。

[日本経済新聞朝刊2018年1月13日付]

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL