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カリスマの直言

見えた大相場 日本株上昇に好条件そろう(武者陵司) 武者リサーチ代表

2018/1/15

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「世界の株式市場は好条件で新年を迎えた」

 世界の株式市場にとって、これほどの好条件で新年を迎えることはここ数十年で初めてだろう。好況下で米国を中心に賃金・物価に上昇圧力がかかり始め、長期金利が上向きつつある。ハイテク企業をはじめとして企業業績も好調だ。とりわけ、日本の企業は世界的な競争力を備えており、株価の押し上げ要因となる。筆者は2018年の日経平均株価は3万円が視野に入るとみている。

■米国などで賃金・物価・金利に上昇圧力

 17年後半にかけて世界同時好況に弾みがつき、国際通貨基金(IMF)などは軒並み日米欧経済の18年の成長見通しを上方修正した。消費に加えて投資の増加傾向も顕著になっている。

 好況により、先進国の失業率は大きく低下し、需要と潜在的な供給力の差を示す「需給ギャップ」は着実に縮小している。賃金・物価に上昇圧力が高まるのは必至であろう。

 特に米国はこの傾向が顕著となろう。トランプ政権はレーガン政権以来、30年ぶりの大型減税政策を実施する予定で、需要は一段と押し上げられるだろう。米連邦準備理事会(FRB)の利上げや実体経済の好転を受け、1980年以降30年以上にわたって続いた米長期金利の低下傾向は2016年に転換したとみられる。18年は緩やかながらも金利上昇傾向がさらに鮮明になるだろう。

 もとより、米国ではハイテクを中心とする「新産業革命」の下で企業業績が好調である。債券から株へと投資資金がシフトする「グレートローテーション(大転換)」は加速するだろう。

■結実する日本企業のオンリーワン戦略

 新産業革命において日本は極めて有利なポジションに立っている。自動運転技術などに代表されるように、日本はイノベーションに必要な周辺技術、基盤技術のほぼすべてを兼ね備えている。これに対し、ライバルである中国、韓国、台湾、ドイツはハイテクそのものには投資していても、その周辺や基盤技術の多くを日本に依存している。つまり、日本のハイテク企業は世界の顧客に最も適した製品やサービスを提案・提供できることを示す。

 近年、日本の企業は価格競争の下、シェアでトップをとる「ナンバーワン戦略」から、技術品質のみに特化した「オンリーワン戦略」へのシフトを進めてきた。ハイテクでもインバウンド(訪日外国人)の分野でも、求められているのは日本の質である。このオンリーワン戦略の結実が空前の企業収益をもたらしているのだ。

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