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首都高への流入、五輪中は制限も 混雑回避へ苦肉の策 入り口の一部閉鎖を検討 鉄道もピーク時の利用回避促す

2018/1/27 日本経済新聞 朝刊

東京都と大会組織委は首都高の入り口の一部閉鎖も検討する(PIXTA)

 2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都と大会組織委員会は交通運営に関する方向性をまとめた。大会期間中は道路交通量を15%減らす目標を設定し、首都高速道路の入り口の一部閉鎖も検討する。一般客の鉄道利用は10%減を目指す。ただ交通量の抑制には企業や都民の協力が欠かせない。経済界など民間をいかに巻き込むかが課題となりそうだ。

選手らの輸送に使う環状2号線などの混雑回避が焦点となる(東京都中央区)

 都と組織委、関係機関と有識者による「交通輸送技術検討会」が1月10日開かれ、提言をまとめた。

 五輪期間中は選手や大会関係者を乗せたバスや乗用車約6000台が都内を中心に移動する。東京・晴海の選手村と新国立競技場(東京・新宿)をつなぐ幹線道路「環状2号線」や首都高などの混雑回避が焦点になる。競技会場の周辺では数万人規模の観客を円滑に誘導する必要もある。

 まず首都高や東京圏の一般道を中心に、道路交通量を平日から15%程度減らし、休日並みにする目標を掲げる。企業や都民には大会期間中に車の利用をなるべく控えるよう呼びかける。競技会場が集中する臨海部は港湾物流が活発なため、企業に今後協力を要請する。

 道路交通量を減らした上で、選手らの輸送ルートに入ってくる一般車両をコントロールする。選手らの輸送は首都高など高速道路が主軸。一般車両が入れる料金所のゲート数を減らす案のほか、一部の入り口を閉鎖する策を検討。東名高速道路など域外から流入する一般車両数を減らす。

 観客の主要交通手段となる鉄道は一般客の利用を10%減らす目標を掲げる。試算によると、大会期間中の鉄道利用者は車に乗るのをやめた人の利用で3%、五輪の観客で6%と計9%増える見通し。混雑が予想されるエリアや時間帯をあらかじめ知らせ、ピーク時以外の利用などを促す。

 主な混雑エリアには新国立競技場に近いJR山手線の原宿駅や東京メトロ銀座線の外苑前駅、競技会場が集まる臨海部の東京メトロ有楽町線・辰巳駅やJR京葉線・新木場駅を想定している。混雑エリアの路線では列車を増便したり、観客の入退場時間を分散して混雑を緩和したりする。

 こうした交通施策の実施にあたっては民間の協力が欠かせない。東京商工会議所の企業向けアンケート調査によると、大会輸送が集中するエリアの迂回は8割の企業が「対応・検討が可能」と回答。半面、営業時間を「変更できない」と答えた企業は全体の3割、運輸業では44%にのぼった。

 12年のロンドン大会では市民への呼びかけで会場周辺の混雑を緩和した一方、16年のリオデジャネイロ大会は高速道路の渋滞など都市機能のまひが注目を集めた。20年の東京大会は民間も巻き込んで円滑な大会輸送を実現できるか。開催都市の手腕が問われそうだ。

[日本経済新聞朝刊2018年1月11日付]

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