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大企業のミドルリーダーには、通り一遍のビジネススクールでは学べない「人に影響力を与えたり、時には意のままに操るような、もっと泥臭いヒューマンスキル」が必要――。このように説いたビジネス書「ダークサイド・スキル」(木村尚敬著、日本経済新聞出版社)が話題だ。ダークサイド・スキルとはどんなスキルなのか、本書の一部を転載して紹介する。今回は7つのスキルの最後のひとつ、「部下に使われて、使いこなせ」だ。

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情報を自分から取りに行く

プロローグで述べた通り、ミドルの人たちはトップとも直接アポが取れるし、現場の部下とも直接話ができる。どちらも一次情報ベースで会話ができるので、非常に有利なポジションである。図にすると、トップと部下、逆向きの二つの三角形の結節点にミドルがいるという関係だ。

とはいえ、人間というのは、自分よりも立場が上の人のことはよく観察しているものである。読者の皆さんも、同僚との飲みの席での酒の肴は、おおむね上司の悪口ということはなかろうか。実は、あなたが上司のことをよく見ているのと同じように、部下もあなたのことをよく見ている。ところが、上の人が下のことを同じように見ているかというと、そんなことはない。上司は自分一人でも、下には何人もの人がいるわけで、そこに情報の非対称性が働くのは避けられない。

「思うように上司を操れ」では、トップとミドルの間にある情報の非対称性をどう活用するかが鍵だということをお伝えした。トップと部下、どちらも一次情報ベースの会話と書いたが、実のところは、ミドルは現場と直接話ができるといっても、必ずしも現場のことをすべて見通せるわけではない。自分では一次情報を取ったつもりでいても、実は、少ししか情報が取れていないケースもある。読者であろうミドルの皆さんが、上司に対して情報の選別を行うのと同じように、皆さんの部下も皆さんに対して、意識的・無意識的に情報の選別を行っている。ミドルと部下の間にも、情報の非対称性が存在するのだ。ではどうやって、この表に出てこない情報を吸い上げればよいだろうか。

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